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2017年トップ人事を占う。注目のあの企業は

好調・富士重の吉永社長は続投か。トヨタの交代はまだ先
 2016年はNECキヤノンIHIファナック、関西電力など大手で新社長が誕生した。一方、不適切会計問題の東芝、燃費不正問題の三菱自動車、グループ会社の杭データ問題の旭化成など、不祥事関連による社長交代も目立った。トランプ大統領の誕生や英国の欧州連合(EU)離脱など国際政治が激変し、世界経済も大きな変革期を迎える中で、企業のリーダーに求められる資質は何か。17年の各業界のトップ人事はどうなるか…。
富士重の吉永社長

 富士重工業の吉永泰之社長(62)は2017年6月で就任7年目に突入する。17年は創業100周年を迎える節目の年ということもあり去就が注目されるが、16年度の世界販売は初の100万台を突破する見通しになるなど業績は好調さをキープ。スバルブランドを高めた吉永社長の手腕を評価する声は多く、周囲は「今交代する理由が見つからない」と口をそろえる。

 また、主戦場の米国でトランプ次期大統領政権が発足するなど経済環境が不透明な部分もあり、次世代への道筋をつけるため、18年以降に交代する可能性が高い。

 トヨタ自動車の豊田章男社長(60)は17年6月で就任丸8年となる。16年4月に導入した社内カンパニー制などは後継者育成を強く意識した施策。豊田社長は「“種まき”と“刈り取り”のバランスのとれた状態で次世代にバトンタッチしたい」としており、その時はまだ先か。
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明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
自身の後継者選びは社長の最大の仕事とも言われる。昔は何期〇年と規則的に交代する企業がほとんどだったが、最近はコーポレートガバナンスの強化に伴う社外取締役の目も厳しくなり、各トップも1年1年が勝負。逆に短期的な視点での経営になっていないか注意しなければいけない。

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