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黒字化が見え始めた三越伊勢丹の海外事業。構造改革から「おもてなし」へ

2020年までに新興国で複合商業施設も出店
黒字化が見え始めた三越伊勢丹の海外事業。構造改革から「おもてなし」へ

マレーシアのクアラルンプールに開店した「ザ・ジャパンストア」(ゲッティ・イメージズ提供)

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)は海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)と共同で10月27日、マレーシアに日本の優れた商品や文化、サービスを発信する「イセタン ザ・ジャパンストア クアラルンプール」を開いた。店舗は26年前にオープンした伊勢丹店をリニューアルした。

 マレーシアは経済発展で中間層が増えており、東南アジアや中東からの来店者も期待できると見ている。茶道などの研修を受け、日本酒品質鑑定士などの資格も取得した販売員「チームなでしこ」による接客や、ラッピングサービスなどで、日本流の「おもてなし」を展開する。今後もザ・ジャパンストアを「再開発していく」(大西洋社長)方針だ。

 同社はマレーシアのほか、中国、シンガポール、台湾、タイ、イタリア、米国、フランスに出店している。海外事業の業績は2016年4―9月期は1億5000万円の営業赤字と、まだ苦戦しているが「コストの構造改革などで黒字化が見えてきた」(同)と前向きだ。

 今後は百貨店業態だけではなくショッピングセンター型での出店も見込んでいる。20年までに新興国で複合商業施設を新たに出す方針だ。
(文=江上佑美子)
日刊工業新聞2016年11月29日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
同社は訪日外国人による免税品売上高については、将来的に年1000億円の目標を掲げている。11月25日、中国アリババグループが運営する越境電子商取引(EC)サイト「天猫国際(Tモールグローバル)」に本格出店した。海外で存在感を高め、多角的に収益拡大を狙う。 (日刊工業新聞第二産業部・江上佑美子)

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