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統合から3カ月、ユニー・ファミマはどこへ向かう?

「流通第三極」へカギ握る同級生トリオ
統合から3カ月、ユニー・ファミマはどこへ向かう?

左からユニー・ファミリーマートHDの中山勇副社長、上田準二社長、佐古則男副社長、ファミリーマートの沢田貴司社長

 9月1日にファミリーマートとユニーグループ・ホールディングス(GHD)が経営統合して発足した、ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)。社長には、ファミマ会長だった上田準二が就いた。かねて模索していた両社の合併を実現させた上田は、イオン、セブン&アイ・ホールディングスに対抗する「流通第三極」の確立に向け、「シナジーで強い仕組みを作る」考えだ。

 鍵を握るのが副社長に就いた中山勇、佐古則男とファミリーマート(東京都豊島区)の社長の沢田貴司だ。中山はファミマの会長、佐古はユニー(愛知県稲沢市)の社長としてそれぞれコンビニ事業、総合スーパー(GMS)事業を担う。

 沢田はファーストリテイリング副社長を務めた後、クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン(東京都渋谷区)などの運営に関わってきた。中山と沢田は伊藤忠商事の同期。

 在籍時には沢田は化学品部門、中山は食糧部門と所属は違ったものの交流があり、中山が招聘(しょうへい)した。ともにアメフト経験者という共通点もある。佐古を含めた3人は、1957年生まれの“同級生”だ。

 コンビニ事業では出身母体の違う社員らを束ね、最大手のセブン―イレブンに対抗する体力を付ける手腕が中山、沢田に求められている。佐古にもGMS事業の再生が課せられている。不採算店舗、事業の整理とともに、少人数運営の新業態などに勝負を賭ける。

 上田は27日で70歳。経営統合を発表した2月の会見で「昨年3月にリタイアするつもりだった」と明かした。統合決定で先送りした形だが、長期政権になるとは考えづらい。

 同社は統合後5年以内に「国内売上高5兆円以上」などの目標を掲げており、具体的な実行計画を精査中だ。そのかじ取りを担うのは中山か沢田か別の人物か―。

 筆頭株主である伊藤忠商事の意向も重要だ。同社社長の岡藤正広は「商社の発想でコンビニ運営は難しい。任せた方が良い」と強調する一方、「軌道に乗るまでは見る」と含みを持たせる。(敬称略)
               
日刊工業新聞2016年12月8日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
ファミリーマートの経営体制では投資ファンドにいた沢田貴司氏を社長に就けたのかがカギとみられている。それはとにかく、ファミマとサークルKサンクスは順調に看板替えを進め中山勇社長体制にいかに移行していくか否かだ。

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