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アサヒビールが第3のビールを海外初投入

「プライムリッチ」を韓国で
アサヒビールが第3のビールを海外初投入

アサヒビールは韓国で「プライムリッチ」を発売する

 アサヒビールは韓国で、第三のビール「クリアアサヒ プライムリッチ」を近く発売する。プライムリッチの海外販売は初めて。期間限定ではなく、通年販売する商品として投入する。サイズは500ミリリットル缶のみで、現地での販売価格は350円程度。アサヒは韓国で「スーパードライ」の缶、瓶、たる、「スーパードライブラック」の缶とたる、業務用の「琥珀(こはく)の時間」などを展開している。プライムリッチを加えることにより品ぞろえを拡充し、韓国市場で存在感を高める。

 アサヒビールが韓国で発売するプライムリッチは、アルコール度数が6%と高めで、コクと香りが豊かな点が特徴。スーパードライは辛口やキレ味を特徴としており、タイプの違う商品を出すことで消費者の多様な好みに対応する。プライムリッチは韓国の酒税法で「ビール」に該当する。このため、輸入プレミアムビールであるスーパードライと同価格の扱いになる。

 コクと香りを特徴とする商品として「ドライプレミアム」を発売する選択肢もあるが、商品名からスーパードライと同じ味を連想される可能性があり、品ぞろえを拡充する効果が薄れかねない。また、プライムリッチは缶体の色やデザインに特徴があるため差別化でき「店頭で目立つ」(アサヒビール)と考え、こちらを選んだという。

 クリアアサヒブランドは2016年明けに刷新した味が消費者の支持を得て、1―10月の販売数量は前年同期比11%増。その中でもプライムリッチは、10月が前年同月比42%増と好調だ。

 韓国でのアサヒブランド販売数量は、15年が前年比28%増の214万ケース(1ケースは大瓶20本換算)、16年は236万ケースを目標としており、輸入ビール市場で5年連続シェア1位を獲得している。プライムリッチの投入により、さらに攻勢をかける。
日刊工業新聞2016年11月18日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
母数は小さいかもしれないがナンバー1にこだわるのは重要なこと。日本と海外の酒税法の違いも生かしたなかなか賢いマーケティング。

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