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“ゴーン会長“に配慮!? 三菱自動車、プジョーの協業見直し

まずはディーゼルエンジンの調達停止。ロシア合弁やEVも
“ゴーン会長“に配慮!? 三菱自動車、プジョーの協業見直し

日産のゴーン社長と三菱自の益子社長

 三菱自動車が仏プジョーシトロエン(PSA)グループからの小型ディーゼルエンジンの調達をやめる方向で検討していることが分かった。日産自動車の傘下入りに伴って調達先を切り替え、日産の資本提携先である仏ルノーから調達する方針。三菱自とPSAは10年超、協業関係にあったが、日産との資本提携により関係の見直しを迫られそうだ。

 現在、欧州で販売する小型スポーツ多目的車(SUV)「ASX(日本名RVR)」に、PSAから調達する排気量1600ccのディーゼルエンジンを搭載している。次の改良を機に、PSAからルノー製の小型ディーゼルエンジンに切り替えるとみられる。

 三菱自はリコール隠し問題で経営危機にあった2005年に独ダイムラー・クライスラー(現ダイムラー)との資本提携を解消。05年以降は、車両のOEM(相手先ブランド)供給などでPSAと協業を広げ、距離を縮めてきた。資本提携の交渉までしたが、10年に断念した経緯もある。

 現在はディーゼルエンジンのほかに、ロシアでの合弁生産事業、電気自動車(EV)での協業、OEM供給を行う。これらの協業も見直す可能性がある。
日刊工業新聞2016年11月10日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
当然の流れといえば当然。ただ日産がそうだったように、時として資本の論理として「ルノーのためのルノーの戦略」になりやすい。日産の傘下でありながら、実質的にはルノーに支配されるという現実。

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