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精密だけじゃない!不二越が工具で耐久性にこだわる理由

車部品加工は既存品の縮小にらみ超硬ドリルやタップを強化
精密だけじゃない!不二越が工具で耐久性にこだわる理由

超硬ドリル「アクアドリルEXパワーフィード」㊧、タップ「ハイパーZタップ」㊨

 不二越は切削工具の超硬ドリルとタップのラインアップを拡充する。超硬ドリル「アクアドリルEXパワーフィード」、タップ「ハイパーZタップ」を新シリーズとして25日に発売予定。寿命を競合品の2―3倍とする耐久性などを特長として、自動車部品加工などでの利用を促す。価格は直径6ミリメートル、全長65ミリメートルの超硬ドリルで1万500円(消費税抜き)。2シリーズで年間7億円の販売を目指す。

 アクアドリルEXパワーフィードは、従来比3倍の送り速度に対応した超硬ドリル。刃先形状の最適化によりスラスト抵抗を低減し、超高速送りでも安定して加工できるようにした。また、溝形状の改良により切りくずの排出性も向上。相乗効果により寿命は最大で競合品の3倍近くとなり、生産性向上、工具コスト低減などに寄与する。

 一方、ハイパーZタップはコーティング工具でも無処理工具でもない新機軸。コーティング工具が苦手とする切削速度毎分20メートル以下と、無処理工具では不安定になる同10メートル以上に対応できるのが特徴だ。同5―25メートルの条件下で安定的に加工できるため、同社は低・中速の部品加工用途などを狙う。

 熱処理や表面改質など複数の処理を組み合わせ、ターゲットとする切削速度への対応を可能にした。
日刊工業新聞2016年11月7日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
不二越の工具事業はブローチなど精密工具が得意分野。一方で、今後は電気自動車の普及が進むと既存品の市場が一部縮小する可能性が高い。そこで拡大余地のある超硬ドリルやタップなどを強化している。

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