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ケンコーマヨネーズ、欧米専用マヨネーズ開発。うまみ調味料不使用人気

ケンコーマヨネーズ、欧米専用マヨネーズ開発。うまみ調味料不使用人気

海外の最新食トレンドを参考にマヨネーズなどを開発(イメージ)

 ケンコーマヨネーズは欧米などへの輸出向けに、専用マヨネーズを開発する。原料の卵黄や液卵で現地の認証を取得した海外産を採用するほか、うま味調味料やたんぱく質の一種であるグルテンを使わないといった、欧米の消費者が志向する最新の動きを取り入れる。同社は欧米への輸出拡大に向け、2015年にカナダのバンクーバーにリサーチオフィスを開設。同オフィスで情報収集を進めている食動向を基に、現地の需要に即した商品開発で存在感を高める。

 ケンコーマヨネーズは輸出向けマヨネーズの開発とともに、ロシアやフランスなどで行われる食品展示会にもマヨネーズやドレッシングを積極的に出展し、PRする。同社の15年度輸出売上高は約4億円で、16年度は7億円を目指している。現地の認証原料を使った輸出向け商品の開発により、輸出売上高の底上げにつなげる。

 欧米市場は富裕層を中心に自然食や健康に対する志向が強く、卵黄や食用油などの原料も現地の認証を取得していないと使えないことが多い。同社の日本式マヨネーズは鶏卵の卵黄部分を使うことによるコクや風味が特徴だが、欧米の卵黄ではえさの違いから白っぽい色で淡泊な味になるという。輸送費を考慮すると日本式は割高になるため、技術などを工夫し風味やコクで差別化する。

 欧米市場では、うま味調味料不使用や低カロリーなども注目度が高い。露モスクワで10月に開かれた食品総合見本市に、うまみ調味料不使用のマヨネーズとノンオイルのドレッシングなどを出展。引き続き米国ニューヨークや英国ロンドンでも、展示会でアピールする方針だ。

日刊工業新聞2016年11月3日



ケンコーマヨ、輸出倍増−海外食分析・商品拡充


 ケンコーマヨネーズは2016年3月期に4億円強だった輸出事業を、17年3月期は7億円と大幅に増やす方針だ。

 北米や欧州、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイなどの展示会に積極出展して商品の認知度を高めるほか、カナダ・バンクーバーに15年に開設した情報リサーチオフィスを活用。欧米の最新の食動向を分析し、各市場に合った商品開発も目指す。アジアではマヨネーズの賞味期間延長や日持ちするサラダ、卵焼きといった卵加工品を拡充する。

 ケンコーマヨネーズは18年3月期を最終年度とする3カ年中期経営計画で、グローバル化を重点目標に掲げている。
 16年3月期の売上高669億円に占める輸出比率はまだ低いものの、輸出先は35カ国・地域と多い。ロシアはマヨネーズの一大消費国で、欧米も日本食のすしブームなどで増加が見込めると見る。サラダ類は東南アジアで、所得増加に伴い需要が伸びると見ている。

 マヨネーズの賞味期間延長や日持ちするサラダを多数開発済みで「日持ちが長いことは輸出する際に大きな武器」(炭井孝志社長)になる。エスニック料理も鶏卵利用メニューが多いため、卵加工品需要が期待できる。

 一方、情報リサーチオフィスを構えるバンクーバーは交通の要衝であることから、欧米のさまざまな食動向や情報が収集できるという。「ベジタリアンや(グルテンを含まない)”グルテンフリー“の食品は日本ではあまり注目されていないが、欧米人の関心は高い」(同)ことから、こうした食の動向に沿った商品も開発する考えだ。

日刊工業新聞2016年5月24日

昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
これだけ海外に力を入れているので逆に日本ではマヨネーズの消費量が減っているのかと思いきや、平成27年の生産量は過去最高だったとのこと(全国マヨネーズ・ドレッシング類協会より)。用途拡大が要因のようです。

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