「カーアイランド九州」に変調の兆し。生産量だけでなく質への転換が勝負に!
14年度は5・8%減。トヨタ「レクサス」の輸出好調、日産はグループ内で明暗。さて今年は?
九州に生産拠点を持つ自動車メーカー4社の2014年度生産台数は、前年度比5・8%減の約129万6000台にとどまった。過去最高だった12年度の約142万台から2年連続のマイナスで130万台を割り込んだ。円安を追い風に輸出が好調なトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)と日産車体九州(福岡県苅田町)に対して、消費増税に伴う駆け込み需要の反動を受けた日産自動車九州(同)と、ダイハツ九州(大分県中津市)が落ち込む対照的な結果となった。
【上乗せを予想】
トヨタ九州は14年夏に発売した、レクサスブランドの小型SUV(スポーツ多目的車)「NX」が北米やアジアの主要地域で好調。当初は「ハイランダー」と、「RX」の一部を米国に生産移管した影響が懸念されていたが、NXで相殺した。15年度の生産台数はNXの増産に加えて、RXの刷新も控えており、さらなる上乗せを予想する。
【連続フル生産】
日産はグループ内で明暗が分かれた。10年から本格操業を始めた日産車体九州は、円安を追い風に「パトロール」や「NV350キャラバン」が堅調。2年連続でフル生産を達成した。日産車体の渡辺義章社長は「(15年度も)パトロールなど5000台程度を上積みして年13万台を生産する」としている。
一方、日産自動車の中で国内最大規模を誇る日産九州は、増税前の駆け込み需要の反動から台数を減らした。15年度も新型車の投入は予定されておらず、ほぼ横ばいを見込む。ダイハツ九州も4車種の生産を始めたが、増税の影響で振るわなかった。15年度の生産台数は明らかにしていない。
【海外シフト響く】
関東や中部に次ぐ生産拠点に成長した九州だが、需要地生産が基本になりつつある自動車各社の海外シフトでひところの勢いを失いつつある。トヨタ九州は07年度ピークの44万台に及ばない。日産九州も2年連続で台数を大きく減らした。
新興国の需要増、為替変動、生産コスト削減など、自動車各社には対応すべき課題が山積している。こうした中で九州の生産子会社各社は、世界のマザー工場としての役割を求められ始めた。今後は今までのように量だけでなく、質でも世界と勝負する拠点へと方針転換が進みそうだ。
【上乗せを予想】
トヨタ九州は14年夏に発売した、レクサスブランドの小型SUV(スポーツ多目的車)「NX」が北米やアジアの主要地域で好調。当初は「ハイランダー」と、「RX」の一部を米国に生産移管した影響が懸念されていたが、NXで相殺した。15年度の生産台数はNXの増産に加えて、RXの刷新も控えており、さらなる上乗せを予想する。
【連続フル生産】
日産はグループ内で明暗が分かれた。10年から本格操業を始めた日産車体九州は、円安を追い風に「パトロール」や「NV350キャラバン」が堅調。2年連続でフル生産を達成した。日産車体の渡辺義章社長は「(15年度も)パトロールなど5000台程度を上積みして年13万台を生産する」としている。
一方、日産自動車の中で国内最大規模を誇る日産九州は、増税前の駆け込み需要の反動から台数を減らした。15年度も新型車の投入は予定されておらず、ほぼ横ばいを見込む。ダイハツ九州も4車種の生産を始めたが、増税の影響で振るわなかった。15年度の生産台数は明らかにしていない。
【海外シフト響く】
関東や中部に次ぐ生産拠点に成長した九州だが、需要地生産が基本になりつつある自動車各社の海外シフトでひところの勢いを失いつつある。トヨタ九州は07年度ピークの44万台に及ばない。日産九州も2年連続で台数を大きく減らした。
新興国の需要増、為替変動、生産コスト削減など、自動車各社には対応すべき課題が山積している。こうした中で九州の生産子会社各社は、世界のマザー工場としての役割を求められ始めた。今後は今までのように量だけでなく、質でも世界と勝負する拠点へと方針転換が進みそうだ。
日刊工業新聞2015年05月15日 列島ネット面