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国内の排ガス規制強化受け、大型トラックで相次ぎ新型車

商用車メーカー、燃費向上だけでなく車両遠隔監視なども
国内の排ガス規制強化受け、大型トラックで相次ぎ新型車

新型車で買い替え需要を取り込む(写真は現行車)

 商用車メーカーが2017年9月に強化される排出ガス規制に向けて、国内市場向けに大型トラックの新型車を投入する。三菱ふそうトラック・バスは車両の稼働状況を遠隔監視して故障を未然に防ぐネットワークサービス対応車を発売する。UDトラックスはパワートレーンをはじめ7年ぶりに改良して燃費性能を向上する。規制への対応と共に整備費用の削減や燃費改善などで商品力を高め、買い替え需要を取り込む。

 三菱ふそうは車両の排出ガス規制対策に加え、トラックの故障を予防する整備サービスに対応した新型車を投入する。テレマティクスシステムや、センサーを活用して車両の稼働状況を遠隔で監視。故障の予兆や異常を検知して専用サーバーに通知する。

 故障の可能性が高まれば顧客に最寄りの整備工場を案内するほか、工場では修理に必要な部品をあらかじめ準備して整備時間の短縮につなげる。

 UDトラックスはパワートレーンの改良や車体構造の最適化などで、数千点にわたる部品を全般的に見直した新型車を17年春めどに発売する。排ガス規制に対応するだけでなく燃費性能も向上させる。

 いすゞ自動車は15年に、21年ぶりに全面改良した新型車を投入。排出ガスの浄化に必要な装置は既に備えており、17年の規制に対応するため制御システムなどを見直す。

 日野自動車は17年初に予定する古河工場(茨城県古河市)の本格稼働に合わせ、大型トラックの改良を検討する。
日刊工業新聞2016年9月27日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
新排出ガス規制では、排出ガスに含まれる窒素酸化物(NOX)を現状の基準と比べ約4割減となる1キロワット時当たり0・4グラム以下に抑えることが求められる。車両総重量7・5トン超のディーゼルエンジン搭載車は17年9月までに規制への対応が必要になる。

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