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関空の欧米路線強化へ安藤社長が意欲示す。「ロンドンが最注力案件」

JALと協議中。「収支がしっかり整う路線であれば、前向きに考えたい」(植木日本航空社長)
 新関西国際空港会社の安藤圭一社長は5月14日、今後の関西空港の国際線拡充方針について、改めて欧米路線の強化を挙げた。同時に、アジアの未就航地からの乗り入れ誘致も進めていく。

 関空の現状について安藤社長は、「国内でアジアに一番強く、LCCの最大拠点空港だが、欧米路線が手薄だ」と説明。現在進めているシカゴ便のほか、関西財界からの要望が多いロンドン便の実現に注力する方針を掲げた。

 「ロンドンが最注力案件。アジアではカンボジアとラオスが空白地帯なので、しっかり拾っていく必要がある」と述べた上で、「成長しているベトナムでは、ダナンにもしっかりプロモーションしていきたい」とネットワーク拡大に意欲を示した。

 安藤社長が「一番最初のターゲット」と位置づけるシカゴ便はユナイテッド航空と、ロンドン便は日本航空と協議を進めている。JALの植木義晴社長は、3月にロサンゼルス便を再開した際、「若干ロンドンのほうが採算性が厳しい。収支がしっかり整う路線であれば、前向きに考えたい」と述べており、着陸料減免だけではなく、継続的な利用が不可欠としている。

 また、2016年度下期に開業が計画されている国際線専用第3ターミナルについては、「マーケットが拡大しており、しっかりやらないと第1と第2ターミナルの混雑緩和は難しい」と述べた。同ターミナルへは、関空を拠点化した中国最大のLCC、春秋航空が乗り入れる予定。中国内陸部を中心とした路線拡大が進む。一方、検討されている第4ターミナル新設については、明言を避けた。
吉川忠行
吉川忠行 Yoshikawa Tadayuki Aviation Wire 編集長
運営権売却が予定されている関空ですが、安藤社長は改めて欧米路線の強化を進める方針を示したほか、アジアの空白地帯からの就航誘致も進めます。

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