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クロネコは小型家電リサイクルの救世主になるか

ヤマトが参入、転勤家族や単身・高齢世帯向けに96品目を有料回収
クロネコは小型家電リサイクルの救世主になるか

回収した使用済みパソコンに含まれる金属は「都市鉱山資源」と呼ばれる

 ヤマトホールディングス(HD)傘下のヤマトホームコンビニエンス(YHC、東京都中央区)は、リサイクル大手のスズトクホールディングス(東京都千代田区)、廃棄物大手の大栄環境(大阪府和泉市)と小型家電リサイクル事業で業務提携し、10月から独自のシステムで全国展開することが明らかになった。引っ越しや家財配送の際、96品目を対象に消費者から有料回収し、スズトクHDと大栄環境が再資源化処理する。廃家電回収を巡っては自治体の対応の遅れに加え、違法回収し輸出する業者が後を絶たない。経済産業省などは、“都市鉱山資源”の海外流出に警戒感を強めている。

 3社は、まず10月から北海道、沖縄、東北の一部を除く地域で、小型家電リサイクルシステム「クロネコ小型家電リサイクルサービス」を展開する。主な対象は転勤による家族や単身・高齢世帯。

 YHCが引っ越し作業や部屋清掃サービスの際、回収品を箱詰めし、YHCの川崎市、兵庫県伊丹市の東西2拠点に集荷。スズトクHDが東日本エリア、大栄環境が西日本エリアで再資源化する。

 費用は携帯電話、デジタルカメラなどは小型段ボール1箱1000円。電子レンジ、掃除機、マッサージ器などは1台2000―6000円。当面の回収目標は年38万台、回収量で同3800トン。

 2013年4月の小型家電リサイクル法施行から約3年経過したが、国内の回収量は14年度が約4万トンで制度目標の14万トンに達していない。自治体では持ち去りや財政難による回収ボックス不足などで、回収率が伸び悩んでいるという。
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
小型家電リサイクル事業では14年にSGホールディングス傘下の佐川急便と小型家電回収サービスのリネットジャパン(愛知県大府市)が、宅配便を活用した小型家電リサイクル事業で業務提携。今回の3社連携ではヤマトHD傘下で宅配事業のヤマト運輸の参画も検討しているという。

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