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ミラーレスは一眼レフにどこまで迫れるか。先進技術で弱点克服

特に鼻息荒いパナソニックと富士フイルム、ソニーは逆に一眼に注力?
 市場の縮小や部品供給基地である熊本県での地震などカメラ産業へ逆風が吹く中、カメラメーカー各社は技術開発で市場の活性化を急ぐ。ドイツで開催中の世界最大のカメラ展示会「フォトキナ」では、日本勢の多くがミラーレス一眼カメラの進化をアピールした。プロ向けに強い一眼レフの牙城(がじょう)を崩そうという動きも出ている。


 “打倒・一眼レフ”の鼻息が荒いのは、パナソニック富士フイルムだ。パナソニックは高画質の「4K」動画から静止画を切り出す4Kフォトを核に訴求し、ミラーレスの弱点を克服する。6K以上になれば、写真家が展覧会に飾る大判印刷にも十分な画質になる。

 同社は4Kフォトの普及に向けて、撮影後の焦点変更や焦点合成などの機能を拡充している。2017年春には6Kフォトも可能な最上位機種の「GH5」を発売し、さらに20年までには8Kへ進化させて一眼レフの牙城に迫る。

 富士フイルムは画素数5000万画素以上のイメージセンサーを搭載した商業用ミラーレス機「GFX」を開発し、17年春以降に発売する。通常の一眼レフに使われるフルサイズの約1・7倍のセンサーで「立体感も表現する」(同社)と力を込める。

 カメラ最大手のキヤノンもミラーレス拡充を進める。このほど上位機種「EOS M5」の追加を決めた。上位機種では一瞬の場面を逃さないよう、操作のしやすさも選ばれる条件になる。

 M5は小さなボディーに最先端イメージセンサーなどのデバイスを備え、操作性の工夫を詰め込んだ。イメージコミュニケーション事業本部の溝口芳之ICP第三事業部長は「最高のものをお届けしたいと思い、開発した」と話す。

 国内のミラーレス市場で現在3位だが、将来はシェアトップを目指す。ただ、一眼レフも含めた全方位のニーズに応える基本路線は変わらない。「8Kの動きもキャッチアップしたい」(戸倉剛キヤノン執行役員)と目を光らせる。

 一方、ソニーはミラーレス強化の流れから一転し、フォトキナでは一眼レフの流れをくむデジタル一眼カメラ「α99II=写真」を発表した。「Aマウント」レンズ対応の最上位機種で、欧米で11月から出荷する。

 欧州にはコニカミノルタ時代も含めてAマウントレンズを多く保有するユーザーが多い。このレンズ資産を生かして、ユーザーの取り込みを狙う。「発表後『待ってました』と言う声をいただいた」(ソニー広報)と手応えも十分だ。

 同カメラは透過ミラーによってイメージセンサーとオートフォーカス(AF)専用センサーの両方に光を導くため、AF性能が高い。α99IIは両センサーのAFが交わるクロス測距点を79点に増やした。

 ミラーレスや一眼レフといったレンズ交換式カメラ市場には底打ち感が出てきた。キヤノンの戸倉執行役員は「今後の市場は、我々メーカーがどんなものを出せるかにかかる」と気を引き締める。カメラ性能も注目される東京五輪・パラリンピックに向けて、市場の再活性化が期待されている。
(文=梶原洵子)
日刊工業新聞2016年9月22日 
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
メカニカル機械仕掛けの要素が強い一眼レフの技術進化の限界が出て始めているいるのだろうか。ミラーレスVS一眼というより、キヤノン・ニコンVS中堅メーカーの戦いがどう帰結していくかに注目したい。今年前半は部品不足だったこともあるがニコンにやや元気がないことが気になるが・・

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