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シャープ、鴻海に生産委託で液晶テレビ世界販売1000万台超へ

18年度目標、「反転攻勢に出る」
シャープ、鴻海に生産委託で液晶テレビ世界販売1000万台超へ

喜多村氏と参考展示の120型テレビ

 シャープは20日、2018年度に液晶テレビの世界販売を16年度見込み比で約2倍となる1000万台以上に引き上げると発表した。親会社の台湾・鴻海精密工業との間で、生産委託を含めて協力を拡大し、11年度以来の1000万台超えを目指す。これまで赤字体質から脱却するため、テレビ事業を縮小してきた。構造改革にめどが付き「反転攻勢に出る」(喜多村和洋ディスプレイデバイスカンパニーデジタル情報家電事業本部副事業本部長)と意気込む。

 具体的には日本市場で高画質の「4K」テレビに45型モデル「LC―45US40」を追加するなど、売れ筋商品を増やしシェアを拡大する。海外ではインドネシアなどでブラウン管テレビからの買い替え需要を獲得する。このほか他の国ではデジタル放送開始に伴う買い替え需要を狙う。

 拡販に向け、鴻海との間で開発から調達、生産まで「全サプライチェーンで協力し、両社の強みを生かす」(同)。生産委託は16年内に開始する。一方、日本では大型モデルや高付加価値モデルを中心に生産し、国内生産を維持する。
日刊工業新聞2016年9月21日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
生産の方はいいとしても、問題は販売とブランドの再構築。鴻海流のボリューム戦略で本気で量を取りに行くのかまだ見えない。しかもテレビのハードそのものが収益を稼ぐ時代でもない。

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