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ビジネスパーソンが最も重視する人脈は?

39%が社内で最多、社外の異業種は減る。住生調査
 住友生命保険は8日、ビジネスパーソンと人脈に関する調査を発表した。最も重視する人脈について「社内の人脈」と回答した層が39%と最も多く、若年層ほど傾向が高かった。反対に、1996年時の調査では最も高かった「社外の異業種の人脈」は38%から11%に下落した。

 20年間の経済環境の変化を経て、人脈に対する志向も大きく様変わりした。今後の人脈のあり方については、「今のままで十分」が61.4%と最多。一方、20年前の調査で73.4%を占めた「拡大」または「新たに参加・開拓したい」層は31.1%と大幅に減少した。

 調査は全国の男女1000人のビジネスパーソンに対し、インターネット形式で7月に実施した。

日立・中西会長「自社内でさえ人脈の広がりがない」


日刊工業新聞2016年7月8日記事から抜粋


 そもそもイノベーションは、自由闊達(かったつ)に議論する土壌があってこそ、生まれるものだとあらためて思う。今の日立製作所をみていると、顧客との関係はもとより、自社内でさえ人脈の広がりがないように映るのが気がかりだ。

 製品ごとに組織が縦割りの企業にとっては工場がひとつの「小宇宙」となりがちだ。だが、工場が持つ経営資源や能力の枠組みの中で経営を考える発想から脱却しない限り、画期的なイノベーションは起こせない。

 市場との対話を起点に、「工場をどう食わせるか(採算をとる)かは後からついてくる」ぐらいの気概で「協創」する組織へ変えたい。製品別カンパニー制を顧客の市場別に組織再編したのは、その覚悟の表れである。

中西宏明「日本独自のコンセプト、「ソサエティー5・0」について話そう

Wantedly仲暁子「シゴトでココロオドル人をふやす」


日刊工業新聞2015年03月09日


 私たちの企業では、「シゴトでココロオドル人をふやす」というミッションのもとにサービス展開している。要は、仕事で幸福な人を増やすということだ。「シゴトでココロオドル状態」を実感するためにはどのような要素が必要なのか、私なりにここ数年研究しているが、「意義への共感」「自律」「成長実感」「関係」の四つが大事だと思う。一つずつ見ていこう。

ビジョンの合う企業で働くことが意義への共感に


 まずは「意義への共感」だが、これが最も大事だ。「意義への共感」は、自分が従事するプロジェクトだったりチームが目指す方向に納得感があり、自分がやっている日々の活動に対して意義を感じられるかどうか、だ。

 弊社としては、自社サービスのビジネスSNS(参加型交流サイト)・Wantedly(ウォンテッドリー)の「遊びに行く」機能で「ビジョンの合う企業への転職」を促進することにより、「意義への共感」のもと働ける人を増やすことに貢献できていると思う。

自立と成長実感は企業カルチャーに左右される


 第二に「自律」と第三の「成長実感」だが、「自律」は、エクセキューションのレイヤーなどにおいて、意思決定の余地があったり、それに伴う責任がしっかりとあるか、という状況だ。また「成長実感」についていうと、自分が日々ソフトスキル・ハードスキルともに成長していることを実感できるかということだ。

 以上の二つも、企業のカルチャーだったり規模によって大きく左右される。例えば、小さなチームほど秩序やルールがなかったり、人数以上に仕事の量があったりするので、成長を実感したい人や、自律的に裁量を持って仕事をしたい人には向いている。

 また、カルチャーの影響も大きく、例えば企業側が「責任と裁量をガッツリ貰(もら)える」雰囲気を作れているか、未熟な社員も「成長を実感できるように」しっかりメンタリングやリソース・マネジメントをして貰える環境かどうか、といったマネジメント層の経験値なども影響してくる。

人間関係はコミュニケーション不足の問題


 最後に「関係」だが、大きく言うと社内と社外の人間関係を表す。社外は、『WORK SHIFT』という本でも提唱されていたように、Wantedlyのつながり機能などを活用して自分のチームをネットワークしておき、何かあった時にすぐにお願いできる人脈力のことを指す。

 例えば、私が小冊子を作りたいと思い立ったら、編集者、ライター、カメラマン、デザイナーを何人かずつ頭に思い浮かべて連絡をとり、私の社外チームを組成することができる。

 一方で社内の関係は、チーム内、チーム間(特に、開発/R&D部門と営業部門など)、上と下(マネジメントやリーダー層、現場)の関係を指す。組織は大きくなればなるほど、そういった組織内で溝ができがちだが、それはどんな組織だとしても、構成要素が人間である限りにおいては発生する問題だ。

 人間関係のすべての問題は「コミュニケーション不足」にあると思うので、コミュニケーションをいかに増やしていくかが大事だ。Wantedlyでは社内コミュニケーションを活性化・透明化させるために、BASEという社内wikiや、Teamという社内サービスを活用するほか、社外の関係性を管理するつながり管理機能をWantedly上で展開している。

企業も成長を実感できるサポートを


 話を四つのポイントに戻すと、特に「意義への共感」「自律」「成長実感」は、企業によってアルナシがかなりかなり違うので、例えば企業を選ぶ際にも、自分が求めているものがあるかどうかの事前の見極めはかなり重要にあると同時に、企業側の努力も必要ということが分かる。

 国内だけでも何百万もの企業があるが、それぞれが意義をしっかりと言語化し、示し(それは簡単なことではない)、自律して働ける環境を作り、維持し、成長を実感してもらうためのサポートを惜しまずやるべきだ。また、組織内外の関係性をポジティブに保つ努力もする必要がある。

 言われてみればどれも当たり前のことだが、当たり前のことほど実行が難しい。勇気を持って自分の心の中の小さな怠慢や恐怖を乗り越え、「シゴトでココロオドル人をふやそう」。
日刊工業新聞2016年9月9日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
記事だけでは詳細があまり分からないが、リリースではSNSの利用についてヒアリングしている点がポイントか。人脈を作ることはもちろん目的ではない。SNSが広まったことでライトな人間関係やつながりは当然増えただろう。そこから深い関係になっていくかは個人差にもよる。ビジネス上の濃密な人間関係という意味では昔の方が多かったのかもしれない。このアンケートで時代感を語るにはあまりにも無理がありすぎるが、米国などに比べても日本は、ビジネスを推進していく上で、まだまだSNSの活用は進んでいないのは確かだろう。

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