大型プロジェクトの管理はこれで大丈夫?三菱重工が頼るのはAI「ワトソン」
17年に実用化へ。地域ごとに受注前審査や契約形態などを詳細に分析
三菱重工業は日本IBMの人工知能(AI)システム「ワトソン」を活用し、大型プロジェクトのリスク管理体制を高度化する。過去の契約文書や契約書に明記していないリスク、各国・地域の法律や判例などをAIが学習。収集したデータをもとにAIが受注前審査や契約形態などを詳細に分析し、受注後の潜在リスクを最小限に食い止める狙い。2017年度の実用化を目指す。
三菱重工は4月1日付で全社の技術、マーケティング、調達などの機能を横断する「シェアードテクノロジー部門」を発足。同部門で全社のIT戦略を担うICTソリューション本部が、AIシステム開発の実務を担当する。IBMの協力を得て実用化を進めている。
過去に手がけた大型輸出工事の契約書や工事の進捗(しんちょく)状況などを洗い出し、データベースを作成。新規案件の受注前にAIでデータを照会・分析して、潜在的なリスクを顕在化する。これをもとに応札や採算性を判断、受注後の損失リスクを最小限に抑える。
ICT本部はAIとともにIoT(モノのインターネット)活用を注力分野に掲げる。発電プラント向けでは世界48のプラントでガスタービン117台を遠隔監視し、1台当たり約2000点のデータを収集。運転状況の監視や異常診断・予兆検知を手がける。今後はボイラや蒸気タービンを含むプラント全体の運用・保守(O&M)まで、サービスを拡大する計画だ。
三菱重工は16年3月期までに大型客船事業で累計2375億円の特別損失を計上するなど、プロジェクト管理が課題となっている。自社で保有する知見やノウハウAIやIoTといった先端技術の導入で、リスク管理体制を盤石にする。
三菱重工は4月1日付で全社の技術、マーケティング、調達などの機能を横断する「シェアードテクノロジー部門」を発足。同部門で全社のIT戦略を担うICTソリューション本部が、AIシステム開発の実務を担当する。IBMの協力を得て実用化を進めている。
過去に手がけた大型輸出工事の契約書や工事の進捗(しんちょく)状況などを洗い出し、データベースを作成。新規案件の受注前にAIでデータを照会・分析して、潜在的なリスクを顕在化する。これをもとに応札や採算性を判断、受注後の損失リスクを最小限に抑える。
ICT本部はAIとともにIoT(モノのインターネット)活用を注力分野に掲げる。発電プラント向けでは世界48のプラントでガスタービン117台を遠隔監視し、1台当たり約2000点のデータを収集。運転状況の監視や異常診断・予兆検知を手がける。今後はボイラや蒸気タービンを含むプラント全体の運用・保守(O&M)まで、サービスを拡大する計画だ。
三菱重工は16年3月期までに大型客船事業で累計2375億円の特別損失を計上するなど、プロジェクト管理が課題となっている。自社で保有する知見やノウハウAIやIoTといった先端技術の導入で、リスク管理体制を盤石にする。
日刊工業新聞2016年9月1日