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ビールはマイナスなのに「第3」は売れてます!アサヒが来月から全工場生産

「プライムリッチ」、年間目標も上方修正
ビールはマイナスなのに「第3」は売れてます!アサヒが来月から全工場生産

クリアアサヒプライムリッチの生産ライン(大阪の吹田工場)

 アサヒビールは第三のビール「クリアアサヒ」ブランドの「クリアアサヒ プライムリッチ」を、9月から国内の8工場全てで生産する。現在の6工場に加え、神奈川工場(神奈川県南足柄市)と福島工場(福島県本宮市)でも生産を始める。生産開始に伴い第三のビール合計の2016年販売目標を、年初に設定した前年比1・3%増の3950万ケース(1ケースは大瓶20本換算)から、同7・7%増の4200万ケースに上方修正する。

 アサヒビールの1―7月の販売数量は、ビールが前年同期比3%減なのに対し、クリアアサヒなどの第三のビールは同9%増。好調さが際立っている。クリアアサヒブランドの中でもプライムリッチは、1―7月で同35・6%増、7月単月は前年同月比41・2%増と伸び率が大きい。

 プライムリッチは2月に中身をリニューアルし、コクや香りを高めたことが顧客の支持を得ている。クリアアサヒも1月に中身のリニューアルを実施、売り上げが伸びている。年間販売目標の4200万ケースは同社がこれまで手がけた第三のビールで最多という。

 第三のビールは酒税の関係で店頭価格がビールより約50円安く、自宅で飲む“家飲み”需要に向く。春以降、消費者の低価格志向が強まっており、第三のビールには追い風だ。家飲みが主体なので、雨天などの悪天候によるビアガーデンの販売減少や居酒屋の不振といった影響に左右されにくい。

 アサヒは秋以降も第三のビールは追い風が続くと見て、キャンペーン策も強化。缶に貼ったシール72枚で家飲みグッズやグルメ食品が必ずもらえる販売促進策を、10月7日から実施する。
日刊工業新聞2016年8月26日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
そろそろ「第4」が出てくるころか。ちなみにスーパードライの年間目標が前年比0・2%増の1億400万ケース。今年7年ぶりに新ビールブランド「ザ・ドリーム」を出したが、ずっとそうですがスーパードライが君臨している限り、その牙城を守るのが社内で最優先になってしまうので、なかなか新ブランドは厳しいですよね。

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