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特殊ポンプの“HONDA”!海外で人気の理由は外国人活用

本多機工の輸出先は60カ国、海外販売比率は6割に上る
特殊ポンプの“HONDA”!海外で人気の理由は外国人活用

月産300台のポンプは手作業で丁寧に仕上げられていく

 産業用特殊ポンプメーカーの本多機工(福岡県嘉麻市、龍造寺健介社長、0948・42・3111)は、世界60カ国以上にプロセスポンプや環境保全ポンプを輸出している。海外販売比率は60%に達する。米ウェアー・スペシャリティー・ポンプスや独デュフティングなど欧米の同業5社と販売・技術提携し、得意製品を相互供給しているのも強みだ。

 近年は台湾や東南アジア向けの受注が好調に推移している。完全受注生産のため月300台のフル生産が続く。インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポールといった従来市場に加えて、最近はインド、ベトナム、ミャンマーといった新興国へも日系企業の進出が相次いでおり、現地企業も含めて渦巻きポンプやラテックスエマルジョンポンプが人気だ。

 龍造寺社長は「販売ネットワーク構築、メード・イン・ジャパン製品への信頼、ホンダポンプのブランド力は極めて高い」と、アジアビジネスに自信をみせる。一方で国ごとの商慣行や、現地販売代理店で異なる手数料(マージン)には手を焼く。産業用ポンプは模倣品や安価な製品も数多く出回る。「マージンを理由に低価格品を優先的に売られてしまうと、ホンダポンプは優秀だが高額というイメージが定着してしまう」(龍造寺社長)と悩む。

 このため頻繁に現地を訪れ品質と適正な価格を説明すると同時に、社内の外国人従業員を活用した代理店支援などを積極的に行っている。「当社製品は10年使っても故障がなく、信頼性は高い」(同)と胸を張る。品質と、中小企業では珍しい外国人従業員による丁寧なコミュニケーション力で、新興国需要も強力に吸い上げる。
日刊工業新聞2015年04月28日 モノづくり面
三苫能徳
三苫能徳 Mitoma Takanori 西部支社 記者
社長の龍造寺氏は24年間の米国在住中に、ジャズバーやレストランチェーンの敏腕経営者だった経歴をお持ちです。

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