《明治期の灯台#05》大浜埼灯台、瀬戸内海での航行支え続ける
広島県のしまなみ海道の因島大橋を渡ると、大浜埼灯台(広島県尾道市)が下方に姿を現す。点灯開始は1894年(明27)5月。瀬戸内海を航行する船舶は、潮流が速く危険が多い来島海峡を迂回(うかい)するため、備後灘から安芸灘に至る水路を使っていた。大浜埼灯台はその水路に、百貫島灯台や高根島灯台など8基の灯台とともに建設された。構造は円形石造で光達距離は約22キロメートル、高さ約9.3メートル。やや小ぶりの灯台だ。
1910年には灯台の業務は停止し、通行船の状況や潮流の速さを船舶に通知する船舶通行信号所が建設された。しかし航海技術の発達によって54年4月に信号所は役割を終え、今は再び灯台として使われている。
現在、信号所は灯台記念館になっている。全国で唯一現存する木造建築物だ。
(写真・文=冨家邦裕)
1910年には灯台の業務は停止し、通行船の状況や潮流の速さを船舶に通知する船舶通行信号所が建設された。しかし航海技術の発達によって54年4月に信号所は役割を終え、今は再び灯台として使われている。
現在、信号所は灯台記念館になっている。全国で唯一現存する木造建築物だ。
(写真・文=冨家邦裕)
日刊工業新聞2016年8月18日 総合1面