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JFEエンジ、タイ市場に再参入。ゴミ焼却発電などの受注狙う

バンコクに支店、2年後に受注高50億円を目指す
JFEエンジ、タイ市場に再参入。ゴミ焼却発電などの受注狙う

中国・青島で整備したゴミ焼却施設

 JFEエンジニアリング(東京都千代田区、狩野久宣社長)は、タイ市場に再参入する。このほどバンコクに支店を設立。ゴミ焼却発電やバイオマス発電プラントを核に事業展開する。タイでは天然ガスパイプライン事業などを手がけたが、需要低迷により5年前に撤退していた。しかし足元では再生可能エネルギー利用やゴミの焼却処分需要が拡大し、事業性が大きいと判断した。2年後にタイで受注高50億円を目指す。

 タイ政府は2036年に、再生可能エネの電源構成を20%(15年は10%)に引き上げる計画。達成には1210万5000キロワット分の再生可能エネによるプラントが必要で、ゴミ焼却発電やバイオマス発電への投資が増えている。

 タイは再生可能エネの固定価格買い取り制度(FIT)を07年に開始。1キロワット時当たりのFIT価格は廃棄物発電で約15―19円、バイオマス発電で同13―16円となっている。

 こうした需要を確実に取り込むため、JFEエンジはバンコク市内に支店を設立。現地スタッフ2人を含む4人体制でスタートした。発電プラントの受注に向けた事業化調査(FS)に乗り出す。将来は営業活動も可能な現地法人への格上げも検討する。

 支店はJFE商事などグループ会社が入居するオフィスの一角を活用する。タイにはJFEグループ18社・2000人以上の社員が在籍。グループの知見や人脈をフル活用し、発電プラントのほか、鉄道向け鋼製橋梁の受注も狙う。
長塚崇寛
長塚崇寛 Nagatsuka Takahiro 編集局ニュースセンター デスク
タイでは廃棄物排出量が年率1%のペースで増加。埋め立て処分が主流になっており、都市部を中心に処分場がひっ迫している。焼却処理ニーズが高まり、競合の日立造船は4月に焼却発電設備を受注。JFEエンジも16年度中に受注の見通しをつける。

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