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最高益を稼ぎ出したトヨタ―章男社長はこの1年、どんな言葉を発信してきたか。

「章男語録」を振り返る。燃料電池車「ミライ」にスポーツ、そしてユーモアも
最高益を稼ぎ出したトヨタ―章男社長はこの1年、どんな言葉を発信してきたか。

「モリゾウ」のニックネームでレーサーとしても活躍する豊田章男社長

●「『意志ある踊り場』から実践する段階に移ってきた。挑戦を続けることが次の経営課題だ」
 「安打が出なくてもバッターボックスに立った人が評価される会社にしたい」 
 (2015年3月期決算=5月)

●「昨年12月に発売した燃料電池車『ミライ』は、自動車の歴史を大きく変えうる車。皆さん自身がクルマの楽しさを感じてほしい」
 (今年の入社式=4月)

●「地域の元気の源になるようなグランパスにしたい。でもトヨタというとすぐお金と思われるが私はサイフじゃない(笑)」
 (名古屋グランパス会長就任で=4月)
 
●「トヨタを育ててくれた社会と、私自身を育ててくれたスポーツに恩返しをしたい」
 (国際オリンピック委員会とTOPパートナー契約で=3月)

●「これまでとは次元の異なる賢いクルマづくりが始まりつつある」
 (個人投資家向け説明会=3月)

●「経済界として両大会の成功や何をレガシーとして残せるかを考え、イノベーティブな大会としたい」
 (オリンピック・パラリンピック等経済界協議会発足で=3月)

●「業績の出た会社は、まずは税金を払う。そして従業員や地域社会に還元するのが経営者として当然の責務だ」
 (春闘について=3月)

●「(大規模リコール問題で米議会公聴会に出席した)あえてこの日にミライのラインオフ式を行った。未来に向けて新たな一歩を踏み出す再出発の日、そして水素社会実現に向けた第一歩を踏み出す日にしたかった」
 (燃料電池車「MIRAI(ミライ)」のラインオフ式=2月)

●「舗装路や泥道、雪道などあらゆる表情を持っており、人と車を鍛え上げるためには最適な舞台だ」
 (世界ラリー選手権の復帰発表=1月)

●「資源のない日本で、水素社会をどこよりも先に実現する歴史的第一歩だ」
 (首相官邸で開いたミライの納車式で=1月)

●「イノベーションが進んだとしても温かさを感じる『木型』は、モノづくりの心を伝承するために絶対必要」
 (愛知県で開催された技能五輪全国大会視察で=11月)

●「自信を持って世界に打って出るための大事な市場が日本だ」
 (自工会主催のイベント「東京モーターフェス2014」の前夜祭で=11月)

●「加速が気持ちいい。エコだけでなく走りも楽しいクルマ」
 (全日本ラリー選手権の競技前にチューニングした燃料電池車で走行=11月)
 
●「本当に私かと耳を疑った。社長になってからいいことがなくて、社長のシャは謝罪のシャかと。それを感謝のシャに変えないと(笑)」
 (ベストドレッサー賞の授賞式で=11月)

●「米リーマン・ショック後は多くの困難があった。国内生産300万台で日本をベースに事業展開することが、トヨタらしい証(あかし)。日本のモノづくりを守り抜いていく」
 「販売台数が1000万台を超え、未知の世界に入りつつある。将来に向け経営資源を振り向けられる今こそ、種まきを積極的にする」
 (昨年の株主総会=6月)

●「メカニックなどの現場社員と肩書を外して車を語ることができる」
 (ドイツ・ニュルブルクリンク24時間耐久レースで=6月)

●「意志を持った“踊り場”だ。踊り場というと成長が止まると誤解されるかもしれないが、最も重要なのは年輪を重ねるように持続的に成長すること」
 (2014年3月期の決算=昨年5月)
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明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
自動車業界ではスズキの鈴木修会長兼社長の会見がとにかくおもしろく「オサム語録」のまとめもある。章男社長は就任直後はかなり慎重な言い回しも多かったが、最近はなかなかどおしてメッセージ性があるものや、ウィットに富んだ発言も多い。去年の「意志を持った“踊り場”」は産業界で流行語のようになったが、昨日の会見ではその先へ進む意欲が示された。

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