シート部品メーカーも自動運転技術を研究中

今仙電機製作所 車の周囲を3次元で映像化するシステムを開発

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開発・研修センターで手がける運転支援システムのイメージ
 今仙電機製作所は自動車の座席の位置や角度を調整するシートアジャスター大手。独立系でホンダや日産自動車、富士重工業、三菱自動車などの日系メーカーに供給する。藤掛治社長がいま最も力を入れるのは、アジャスターに続く事業の「第2の柱」の育成だ。

 自動車部品事業を6月下旬にシート事業部と電子・電装事業部の二つに分離。「それぞれに収益をしっかり見ないといけない」(藤掛治社長)として、製品ごとの収益責任を明確化するためだ。

 電子・電装品事業は創業製品のホーンをはじめ、ランプや電子ユニット、リレーなどで構成する。電子・電装品の自動車部品事業全体に占める割合を、現在の約1割から早期に2割に高める目標だ。

 事業を伸ばす中核となるのが、15年に愛知県犬山市に完成した「IMASENグローバル開発・研修センター」。現在は車の周囲360度を3次元でモニターに投影するシステムなどの研究に取り組んでいる。既存の営業や生産部門とは切り離した開発体制を作り、将来の新事業創出を狙う。

「海外」、「非自動車」で新しい柱を模索


 中期経営計画では2020年度に連結売上高1800億円(15年度比5割増)を目指すが、足元は厳しい。16年度は円高の逆風が吹き、国内だけでなく北米やアジアでも減収となる見通しだ。ただ、顧客が日系メーカーに偏る状況に危機感を覚え、手は打っている。

 15年6月にはドイツ・フランクフルトに支店を開設し、欧州メーカーの開拓に動きだした。これまでの海外拠点は基本的に日系メーカーの現地調達ニーズに対応するものだったが、今後はドイツなど欧州の車メーカーの需要も掘り起こす。

 非自動車分野でも、子会社を通じ航空機用のワイヤハーネス(組み電線)や福祉機器などの事業を手がける。現在は両方合わせても年間約40億円程度の売上高だが、どれも将来の事業の柱になる可能性を秘める。自動車産業で部品の電動化や自動運転車の開発などで競争環境が変化するなか、新たな収益源を探り続けている。

(文=杉本要)

※日刊工業新聞で「地平を拓く・車部品メーカーの挑戦」を連載中

日刊工業新聞2016年7月26日付 自動車面

COMMENT

新事業のタネを探すのはどの企業にとっても課題でしょう。しかし最近の自動車業界では、トヨタをはじめとするカーメーカーから部品サプライヤーまでそろって「運転支援」、「自動運転」をキーワードに研究開発を始めています。これまで弱かったソフトウエア分野で、日本企業は存在感を示せるでしょうか。

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