宇宙は双子にどんな影響を与えるか?
NASA、一卵性双生児の遺伝子発現など―宇宙滞在の影響調査
米航空宇宙局(NASA)が、将来の有人火星飛行を想定し、長期の宇宙滞在が健康に与える影響について、一卵性双生児を使った実験を始める。国際宇宙ステーション(ISS)に1年間滞在する米国人飛行士と、地上に残る双子の兄との実験データを比較することで、体に及ぼす影響を調べる。
この実験は、ISSに1年滞在するスコット・ケリー飛行士(51)と双子の兄で地上にいるマーク・ケリー元宇宙飛行士の2人が対象。無重力環境での遺伝子発現の変化の観察と同時に、地上の兄を比較し、加齢のカギを握る染色体の末端構造の損失が、宇宙放射線によって早まるかどうかを調べる。また2人にインフルエンザワクチンを接種して免疫反応の違いを比較する。実験期間は15年3月から約1年間。
地球とISSの距離は約400キロメートルだが、火星へは最短5500万キロメートル。2030年代の実現を目指す火星飛行は片道で半年以上かかるため、飛行士の健康への影響が課題となっている。
この実験は、ISSに1年滞在するスコット・ケリー飛行士(51)と双子の兄で地上にいるマーク・ケリー元宇宙飛行士の2人が対象。無重力環境での遺伝子発現の変化の観察と同時に、地上の兄を比較し、加齢のカギを握る染色体の末端構造の損失が、宇宙放射線によって早まるかどうかを調べる。また2人にインフルエンザワクチンを接種して免疫反応の違いを比較する。実験期間は15年3月から約1年間。
地球とISSの距離は約400キロメートルだが、火星へは最短5500万キロメートル。2030年代の実現を目指す火星飛行は片道で半年以上かかるため、飛行士の健康への影響が課題となっている。
日刊工業新聞2015年05月08日 科学技術・大学面