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高速回転の米国、日本もイノベーションの社会実装を急げ。次の主戦場は?

実証を量産するDeNA。来春にヤマト運輸と自動運転の物流サービス
高速回転の米国、日本もイノベーションの社会実装を急げ。次の主戦場は?

実証で使用する車両(イメージ)

 ディー・エヌ・エー(DeNA)とヤマト運輸は20日、自動運転を活用した物流サービスの実用化に向け、2017年3月から実証実験を開始すると発表した。DeNAのITを活用した自動運転関連のサービス設計ノウハウとヤマト運輸の物流網を組み合わせ、利便性の高いサービスを目指す。今後、さまざまな事業者の参画も視野に入れ、オープンに進める考え。

 実証は「オンデマンド配送サービス」「買い物代行サービス」の2種類で行う。利用者のニーズに応えられるかを確認する。さらに実証に協力してもらう利用者から細かな要望などを収集し、実用化に生かす。

 オンデマンド配送サービスは、利用者の希望時間に希望場所で荷物を受け取ることができる。スマートフォンで荷物の現在地や到着予定時刻も確認可能。買い物代行サービスは、地域の複数の商店の商品をインターネット上で購入し、一括で配送する。

 実施期間は1年間の予定で、実施場所は国家戦略特区のいずれかの地域を検討する。

ロボタク、実証参加者の声


日刊工業新聞2016年3月28日


 ディー・エヌ・エー(DeNA)子会社のロボットタクシー(東京都江東区)は、自動運転技術を使った「ロボットタクシー」について神奈川県藤沢市の公道で行った実証実験の結果をまとめた。近隣に住む延べ51人のモニターを乗せた実験で、計約28キロメートルを無事故で走行したという。

 実験は2月29日から3月11日までの平日に行い、モニター参加者の自宅とイオン藤沢店の間をそれぞれ送迎した。参加者からは「走行が安定していた」など評価の声が上がる一方で、「車間距離や加減速、停止の感覚が自分の運転とは違う」との意見も聞かれたという。

味の素と未病テーマに実証


日刊工業新聞2015年10月22日


 ディー・エヌ・エー(DeNA)とヤマト運輸は20日、自動運転を活用した物流サービスの実用化に向け、2017年3月から実証実験を開始すると発表した。DeNAのITを活用した自動運転関連のサービス設計ノウハウとヤマト運輸の物流網を組み合わせ、利便性の高いサービスを目指す。今後、さまざまな事業者の参画も視野に入れ、オープンに進める考え。

 実証は「オンデマンド配送サービス」「買い物代行サービス」の2種類で行う。利用者のニーズに応えられるかを確認する。さらに実証に協力してもらう利用者から細かな要望などを収集し、実用化に生かす。

 オンデマンド配送サービスは、利用者の希望時間に希望場所で荷物を受け取ることができる。スマートフォンで荷物の現在地や到着予定時刻も確認可能。買い物代行サービスは、地域の複数の商店の商品をインターネット上で購入し、一括で配送する。

 実施期間は1年間の予定で、実施場所は国家戦略特区のいずれかの地域を検討する。

米国のトライアングル


日刊工業新聞2016年3月11日


 現在、米国では大統領選挙で盛り上がっており、連日、討論の様子がテレビで放映されている。世間の関心も、誰が米国のリーダーとしてふさわしいかについて真剣に考えているようだ。

 ここは誰がふさわしいかを議論する場ではないが、ある種の不平不満、鬱屈した感情がたまっていることを感じた。米国では、誰がリーダーになっても変わらないという閉塞(へいそく)感も感じた。今までの米国にはなかったような印象を持っている。

国防総省、巨大企業、中核的大学の三角形


 米国におけるロボット開発の中心は、国防総省といった軍事関連、生産性を上げるために必要な巨大企業、それにイノベーティブな研究を行う中核的大学の三つである。日本のように、ロボットメーカーが産業用もサービス用もそれなりの数を供給し、政策支援も受けつつ進められているわけではないようだ。

 まず、軍事関連であるが、掃除ロボットのルンバを開発したアイロボットが有名だ。地雷除去から無人での攻撃ができるロボット、それから、救護用のロボットまで幅広い軍事関連ロボットの開発を行っている。

 民生用のルンバに資源を集約するために、軍事部門の売却を検討しているということだが、技術のコアが軍事用技術から派生したのは明らかである。巨大企業の取り組みとしては、アマゾン・ドット・コムの物流現場でのロボット活用、グーグルの自動運転自動車に対する投資が有名である。

次の主戦場は物流やスマートシティー


 物流現場の生産性向上、スマートシティー、さまざまな場面でのロボット技術の社会への実装は巨大企業中心で進められている。また、核心的技術は大学発であることが多い。マサチューセッツ工科大学(MIT)、カーネギーメロン大学、スタンフォード大学といった中核的な研究機関は企業からも政府からも潤沢な資金を得て研究をリードしている。

 一方で、手厚さが見られないのが中小企業への産業振興であった。大統領選でも雇用回復、生産の国内回帰はどの候補者も主張しており、むしろ雇用削減、人員削減につながるイメージを持つロボットは敬遠されがちの印象を持つ。産業用ロボットのプロトタイプが生まれたのは米国であったが、それが現場で普及し、ロボットメーカーが育ったのが日本であるという歴史を繰り返す可能性もあると直感した。

 IT革命がそうであったように、産業は複層的であり、結果的に多様な雇用も生み出す。現時点の米国ではロボットの技術波及の道筋が見通しづらかった。改めて、一貫したロボット産業政策の必要性を感じた。
(文=三治信一朗・NTTデータ経営研究所)
日刊工業新聞2016年7月21日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
インダストリアル・インターネットもまさに同じ。政府の総合科学技術イノベーション会議が日本独自のコンセプト「ソサエティー5・0」を打ち出したのだから、まずは率先して大手企業がガス抜きじゃない実証を。

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