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「五輪後も同じメンバーでモノづくりしたい」

7月就任の下町ボブスレー新委員長に聞く
「五輪後も同じメンバーでモノづくりしたい」

國廣社長

 フルハートジャパンは下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会で、板金加工を担当する。國廣愛彦社長は語学力を生かし、ジャマイカチームとの交渉も一手に引き受けてきた。7月からは3代目となる委員長に就任。新委員長としての意気込みを聞いた。

 ―今後のプロジェクトにおける課題は。
 「ジャマイカチームとのコミュニケーションだと考えている。不採用を決めた日本連盟とは、コミュニケーションミスも多かった。同じ失敗は繰り返さない。緊密に連絡を取り合い、要求に即対応できるようにしていく」

 ―2022年の北京五輪までプロジェクトが続きそうですね。五輪後の構想は。
 「同じメンバーでモノづくりがしたい。例えばアスリートの要望に応えるノウハウは他のスポーツ用品製造にも応用できる。利益を出せるモノを作りたい」

 ―社内でも自社製品開発に取り組んでいるそうですね。
 「プロジェクトへの参加で、市場を探してすり合わせる“マーケティング調査”の概念を学んだ。中小企業では通常手が回りにくい部分だが、実際はどこで誰が何を求めているかを考えなければ売れない。参加は社内にもいい影響を及ぼした」

 ―意気込みをお願いします。
 「どこの工業団体にも属していない自分が委員長になったことで、いろいろな人が入りやすいプロジェクトの良さを体現できた。1社でも多くの企業に参加してもらい、いい結果につなげたい」

<自社製品開発にも力を入れる>

【主力の電子機器、「脱下請け」目指す】
 フルハートジャパンの主力は各種電子機器、制御システムの設計・製造。組み立て配線、メカトロ組み立て、基板実装、精密板金加工などは社内にさまざまな技術を持つ。これらを組み合わせ、ソリューションとしても提供している。

 近年は“脱下請け”を掲げて自社製品開発にも取り組む。現在、信号の増幅器「アイソレーションアンプ」、牛丼などの鍋で測った塩分濃度を本部に送れる塩分濃度計測器「導電率計」、超音波を使って形を崩さずに切れる「ケーキカッター」の製品化に取り組んでいる。
日刊工業新聞2016年7月20日 中小企業・地域経済面
斉藤陽一
斉藤陽一 Saito Yoichi 編集局第一産業部 デスク
 社内にあるさまざまな技術を組み合わせソリューションに仕立てるための技術力やチームワークは、下町ボブスレープロジェクトの運営にも大いに役立ちそうですね。新委員長のご活躍を期待しております。

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