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交通規制がなくなる?阪神高速が高架の鋼床版を下面補強する技術

分岐部や合流部を中心に導入へ
 阪神高速道路は、高架道路で使用している鋼床版の補強工事を高架下から行う「下面補強技術」の確立に取り組む。従来の鋼繊維コンクリート(SFRC)による上面補強と比べ、交通規制や通行止めの必要がないのが特徴。作業の標準化による機械化を実現し、大規模修繕工事を効率化する。2016年度中にも同技術の確立を目指す。

 疲労損傷した鋼床版の修繕は、SFRCを接着して剛性を高め、荷重に耐えられるようにする上面補強を行ってきた。舗装をめくるため交通規制が必要で、分岐部や合流部などでは通行止めも発生する。また、天候に左右されやすく、計画的な施工が難しいのも課題となっている。

 阪神高速道路はこれらの課題解決のため、下面補強の技術確立を推し進める。鋼床版Uリブの古い溶接部分を切断して当て板とボルトで補強する工法と、Uリブ部分に軽量モルタルを充填して補強する2種類の工法を開発した。下面補強では足場の設置や、狭い場所で煩雑な施工工程が発生するのが課題。時間と費用がともにかかるため、機械化で作業時間短縮を実現して本格導入を目指す。

日刊工業新聞2016年7月11日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
機械化は溶接部分の切断や両端にねじ部があるスタッドボルトの固定、モルタル充填などの作業が対象という。ボルトの取り付け角度やモルタルの充填時間など、最適な作業条件を突き止めて機械化に反映させる。上面補強で特に交通への影響が大きい、分岐部や合流部を中心に導入する方針。

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