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「担保がなければ貸さない」を脱します!横浜銀が中小企業の成長力で無担保融資

7月からスタート。金融庁の自己査定基準の制度に一石?
 横浜銀行は7月に、企業の成長力を基準に無担保、無保証で資金供給する中小企業向け融資を始める。財務内容に加え事業内容や成長力など総合的に事業性を評価、2017年3月までに200億円程度の融資を見込む。金融庁は事業性評価の強化を地銀に求めている。事業性評価を重視した融資商品は地銀では少ない。

 新融資制度の商品名は「事業評価融資ファンドはばたき」。融資開始に先駆けて、4月に企業の事業性評価を始めた。法人担当者がシートを使って評価を点数化し、一定の点数以上であれば融資を実行する。17年3月までに600社の事業性評価を目指す。融資金利は企業ごとに決める。最長3年間の元金返済据え置き期間を設けた上で、融資期間を最長20年に設定するなど、返済方法も緩和する。

 事業性評価融資についてはメガバンクは手がけ始めた。一方、中小企業との結びつきが強い地銀は融資ノウハウが少ないため、参入が難しかった。横浜銀は事業性融資を自社株対策やM&A(合併・買収)など事業承継支援と併せて提案。「顧客が多ければ多いほどM&Aやビジネスマッチングのヒット率が上がる」(川村健一新頭取)と、4月に経営統合した東日本銀行の顧客網を有効活用する。
日刊工業新聞2016年6月30日
安東泰志
安東泰志 Ando Yasushi ニューホライズンキャピタル 会長
担保がなければ貸さないというのは日本の銀行に顕著な傾向だ。金融庁による資産の自己査定基準上、担保カバー分は必ずI分類(正常債権)に出来るという制度上の問題も大きい。事業評価に基づき信用で融資することは、もともと銀行の基本的使命だ。

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