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ジャパンディスプレイが中国の後工程を再編

関連会社を売却
ジャパンディスプレイが中国の後工程を再編

JDIのスマホ用液晶パネル

 ジャパンディスプレイ(JDI)は、後工程(組み立て)を手がける中国の生産拠点の再編に着手する。関連会社のモーニングスター・オプティクス・ジュハイ(中国広東省珠海市)を、タッチパネルや液晶ディスプレーを手がけるホリテック・テクノロジー(同山東省)へ売却する。中国にある他の拠点も売却や閉鎖を視野に入れる。スマートフォン用ディスプレーの低価格化が進み、スマホ向け製品の後工程拠点の再編は重要課題だった。

 JDIはホリテックと、モーニングスターの全株式を売却することで合意した。売却額は16億5000万円の見通し。モーニングスターはJDIの台湾関連会社「スターワールドテクノロジー(STC)」の中国生産子会社。モーニングスター売却に伴いSTCは台湾での上場を廃止し、親会社でJDIの子会社「台湾ディスプレイ」に吸収合併される。

 JDIはモーニングスターを含め、中国に組み立て拠点が4カ所ある。固定費削減やリソースの効率活用の観点から、残り3拠点でも統廃合を検討する。

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日刊工業新聞2016年6月27日
政年佐貴惠
政年佐貴惠 Masatoshi Sakie 名古屋支社編集部 記者
決算説明会などで「7月末までに完了させる」としていた中国後工程再編の一環となる。利益率が悪化しているJDIにとって、収益性を高める施策は喫緊の課題だ。3月には日本でライン停止とリストラを行う構造改革も発表しているが、本間会長兼CEOは、従業員のモチベーション低下などの理由から「人員削減など、これ以上の構造改革はしない」と表明している。JDI予想では2017年3月期の出だしは厳しい見通し。限られたリソースでコスト削減と付加価値向上の両輪を進めねばならない今が、踏ん張りどきだろう。

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