JALが世界初の足もと完全立体交差の新ビジネスクラス
18日からバンコク線で。年明けからはホノルルにも
日本航空(JAL)はビジネスクラスに新シートを導入した国際線用ボーイング777-200ER型機の新仕様機「スカイスイート777」を公開した。18日から羽田-バンコク線(JL031/034便)に就航し、年明けからはホノルル路線にも投入する。
JALは777-200ERを11機保有しており、東南アジアやハワイなど国際線中距離路線に投入。18日に初号機が就航後、2017年度内に全機の改修を終える。
座席数は3クラス236席で、ビジネスクラス「スカイスイートIII」が42席、プレミアムエコノミー「スカイプレミアム」が40席、エコノミー「スカイワイダー」が154席。現行の3クラス仕様機の245席と比べると総座席数は9席少なく、ビジネスを14席減らし、エコノミーを5席増やした。
ビジネスクラスの新シートは、横1列4席の1-2-1席配列。777-200ER用に新設計したフルフラットシートを斜めに配置するヘリンボーン配列で、全席から通路へアクセスできる。シートメーカーはゾディアック・シート・UK(旧コンター)で、JALの国際線ファーストクラスを手掛けている。
ベッドポジションでは、足もとまで十分なスペースを確保。中央2席は、ベッドポジションにした際に進行方向左側席はシートが下へ、右側席は上に移動することで、足もとスペースが上下に立体交差している。JALによると、足もとが完全に立体交差するシートは世界初で、同シートのローンチカスタマーとなった。
通路側用に小物入れのある可動式アームレストを開発し、中央2席の間には可動式のプライバシーパーティションを設けた。各席ごとのプライバシーを確保するとともに、ホノルル線などカップルでの利用が見込まれる路線にも投入するため、隣席の同行者と会話が出来る構造を採り入れた。
個人モニターは、現行仕様機が9インチから10.4インチであるのに対し、17インチに大型化。パソコンで作業しやすい収納式大型ダイニングテーブルや、身の回り品を収納できるスペース、パソコン用電源、スマートフォンの充電などに使えるUSBポート、4段階の調節が出来るLEDライトを装備する。
ベッド長は最大約198センチ、ベッド幅は同74センチ、アームレスト間のシート幅は約51-52センチとなっている。JALによると、ベッドとして使用する際の寝心地を重視して開発したという。
新設となるプレミアムエコノミークラスのシート「スカイプレミアム」は、横8席の2-4-2配列。機能やデザインは777-300ER用のものと同一仕様で、前席の背もたれが倒れてこない「フィックスド・バック構造」を採用した。
シートピッチは42インチ(約106.7センチ)で、座席幅は19インチ(約48.3センチ)、個人モニターは12.1インチ(最前列のみ10.6インチ)となる。シートメーカーは、ゾディアック・シート・フランス。
エコノミークラスのシート「スカイワイダー」は、横9席の3-4-2配列。夫婦や恋人同士、家族連れなど、さまざまな乗客のニーズに合わせ、各席から通路へ出入りしやすい配列を取り入れた。
シートピッチは33から34インチ(約83.8から86.4センチ)。アームレスト間のシート幅は18.5インチ(47センチ)、タッチパネル式個人モニターは10.6インチ(最前列のみ8.9インチ)のものを導入した。シートメーカーは独ZIM。
従来のシートより約3センチ薄型化。シートピッチを従来の31インチ(約79センチ)から最大3インチ(約7.6センチ)広げ、足もとスペースを最大10センチ拡大した。軽量化により、燃料消費量の抑制につなげている。
IFE(機内エンターテインメントシステム)は、787の新仕様機「スカイスイート787」と同じく、最新の「MAGIC-VI」を導入。仏タレス製のシステムで、映画やビデオ、音楽など300以上のプログラムが楽しめる。また、モニターに触れた状態で指を滑らせる「スワイプ操作」に対応している。
国際線用新仕様機の1機種目となる777-300ERの「スカイスイート777」や、767の新仕様機「スカイスイート767」、一部のスカイスイート787で導入済みの、無線LANによる機内インターネット接続サービス「スカイWi-Fi」も提供。米パナソニックアビオニクス製の航空機内インターネット接続サービス「eXConnect」を採用する。
また、ビジネスクラスのラバトリー(洗面所)には、温水洗浄便座「ウォシュレット」を設置した。
投入路線は羽田-バンコク線を皮切りに、8月から羽田-シンガポール線、年明け2017年初から羽田-ホノルル線と関西-ホノルル線、同年春からは成田-ホノルル線、中部-ホノルル線にも投入を予定している。時刻表の表記は「SS2」で、国際線長距離路線用777-300ERの「SS7」と区別する。
バンコク線からの導入について、JALの加藤淳・執行役員路線統括本部商品・サービス企画本部長は、「中距離路線のビジネス客から快適性向上の要望があった。東南アジアへのビジネス需要に応えたい」と述べ、長距離路線と同等のサービス導入に踏み切ったという。
また、エコノミークラスの3-4-2配列の他機種への展開については、「ホノルル線のような観光路線には、非常に有効なのではないか。検討する場合は、観光需要が見込める路線になるだろう」と語った。
JALでは、2013年1月9日に777-300ERのスカイスイート777が就航。その後、2013年12月1日から767-300ERのスカイスイート767、2014年12月1日から787-8のスカイスイート787、2015年7月1日から787-9のスカイスイート787が、それぞれ就航している。
運航スケジュール
JL031 羽田(11:20)→バンコク(15:40)
JL034 バンコク(21:55)→羽田(翌日06:05)
*火曜のみ座席仕様の異なる機材で運航>
JALは777-200ERを11機保有しており、東南アジアやハワイなど国際線中距離路線に投入。18日に初号機が就航後、2017年度内に全機の改修を終える。
座席数は3クラス236席で、ビジネスクラス「スカイスイートIII」が42席、プレミアムエコノミー「スカイプレミアム」が40席、エコノミー「スカイワイダー」が154席。現行の3クラス仕様機の245席と比べると総座席数は9席少なく、ビジネスを14席減らし、エコノミーを5席増やした。
ビジネスクラスの新シートは、横1列4席の1-2-1席配列。777-200ER用に新設計したフルフラットシートを斜めに配置するヘリンボーン配列で、全席から通路へアクセスできる。シートメーカーはゾディアック・シート・UK(旧コンター)で、JALの国際線ファーストクラスを手掛けている。
ベッドポジションでは、足もとまで十分なスペースを確保。中央2席は、ベッドポジションにした際に進行方向左側席はシートが下へ、右側席は上に移動することで、足もとスペースが上下に立体交差している。JALによると、足もとが完全に立体交差するシートは世界初で、同シートのローンチカスタマーとなった。
通路側用に小物入れのある可動式アームレストを開発し、中央2席の間には可動式のプライバシーパーティションを設けた。各席ごとのプライバシーを確保するとともに、ホノルル線などカップルでの利用が見込まれる路線にも投入するため、隣席の同行者と会話が出来る構造を採り入れた。
個人モニターは、現行仕様機が9インチから10.4インチであるのに対し、17インチに大型化。パソコンで作業しやすい収納式大型ダイニングテーブルや、身の回り品を収納できるスペース、パソコン用電源、スマートフォンの充電などに使えるUSBポート、4段階の調節が出来るLEDライトを装備する。
ベッド長は最大約198センチ、ベッド幅は同74センチ、アームレスト間のシート幅は約51-52センチとなっている。JALによると、ベッドとして使用する際の寝心地を重視して開発したという。
背もたれが倒れてこないプレエコ
新設となるプレミアムエコノミークラスのシート「スカイプレミアム」は、横8席の2-4-2配列。機能やデザインは777-300ER用のものと同一仕様で、前席の背もたれが倒れてこない「フィックスド・バック構造」を採用した。
シートピッチは42インチ(約106.7センチ)で、座席幅は19インチ(約48.3センチ)、個人モニターは12.1インチ(最前列のみ10.6インチ)となる。シートメーカーは、ゾディアック・シート・フランス。
エコノミークラスのシート「スカイワイダー」は、横9席の3-4-2配列。夫婦や恋人同士、家族連れなど、さまざまな乗客のニーズに合わせ、各席から通路へ出入りしやすい配列を取り入れた。
シートピッチは33から34インチ(約83.8から86.4センチ)。アームレスト間のシート幅は18.5インチ(47センチ)、タッチパネル式個人モニターは10.6インチ(最前列のみ8.9インチ)のものを導入した。シートメーカーは独ZIM。
従来のシートより約3センチ薄型化。シートピッチを従来の31インチ(約79センチ)から最大3インチ(約7.6センチ)広げ、足もとスペースを最大10センチ拡大した。軽量化により、燃料消費量の抑制につなげている。
IFE(機内エンターテインメントシステム)は、787の新仕様機「スカイスイート787」と同じく、最新の「MAGIC-VI」を導入。仏タレス製のシステムで、映画やビデオ、音楽など300以上のプログラムが楽しめる。また、モニターに触れた状態で指を滑らせる「スワイプ操作」に対応している。
国際線用新仕様機の1機種目となる777-300ERの「スカイスイート777」や、767の新仕様機「スカイスイート767」、一部のスカイスイート787で導入済みの、無線LANによる機内インターネット接続サービス「スカイWi-Fi」も提供。米パナソニックアビオニクス製の航空機内インターネット接続サービス「eXConnect」を採用する。
また、ビジネスクラスのラバトリー(洗面所)には、温水洗浄便座「ウォシュレット」を設置した。
17年からホノルル線
投入路線は羽田-バンコク線を皮切りに、8月から羽田-シンガポール線、年明け2017年初から羽田-ホノルル線と関西-ホノルル線、同年春からは成田-ホノルル線、中部-ホノルル線にも投入を予定している。時刻表の表記は「SS2」で、国際線長距離路線用777-300ERの「SS7」と区別する。
バンコク線からの導入について、JALの加藤淳・執行役員路線統括本部商品・サービス企画本部長は、「中距離路線のビジネス客から快適性向上の要望があった。東南アジアへのビジネス需要に応えたい」と述べ、長距離路線と同等のサービス導入に踏み切ったという。
また、エコノミークラスの3-4-2配列の他機種への展開については、「ホノルル線のような観光路線には、非常に有効なのではないか。検討する場合は、観光需要が見込める路線になるだろう」と語った。
JALでは、2013年1月9日に777-300ERのスカイスイート777が就航。その後、2013年12月1日から767-300ERのスカイスイート767、2014年12月1日から787-8のスカイスイート787、2015年7月1日から787-9のスカイスイート787が、それぞれ就航している。
JL031 羽田(11:20)→バンコク(15:40)
JL034 バンコク(21:55)→羽田(翌日06:05)
*火曜のみ座席仕様の異なる機材で運航>