アジアの新進気鋭ベンチャーが火花!優勝はマレーシアに
アジア・アントレプレナーシップ・アワード2016
アジア各国から選出された技術系スタートアップ企業が一堂に会するビジネス・コンテスト「アジア・アントレプレナーシップ・アワード(AEA)2016」が、6月6日~8日開催された。5回目となる今回は例年出場してきた日本、中国、インドなど12カ国に加え、初参加となるオーストラリアとロシアの14カ国から27社が出場。メンターからのアドバイスを受けた後セミファイナルセッションでプレゼンを行い、6社が最終審査に進んだ。
優勝を勝ち取ったのはマレーシアのBorderPass社。現在紙で行っている入国審査用紙をデータにし、クラウドで管理。航空券の予約時、目的地当局に情報が送信され、渡航者は入国審査を迅速に通過できるようになるというシステムだ。非接触の指紋認証システムや高精度の顔認識システムなどを取り入れ、情報の暗号化に注力、セキュリティの強化を図っている。現在東南アジアの空港のうち40%は飽和状態にあり、経済成長に伴ってさらに利用者が増加するとみられている。今後は航空会社とのアライアンスなどを目指していくという。
同社には優勝賞金100万円のほか、副賞として三井不動産のコワーキングスペース利用権2年間分が進呈された。
2位は初出場のロシアからDRD Biotech社が受賞。軽度の外傷性脳損傷を診断する検査キットを開発している。MRI検査は高価で、軽度の脳しんとうなどの場合は使用されないことも多いというが、同社の血液検査キットを使えば20ドルほどで短時間での検査が可能だという。2018年にロシアでの販売開始を目指している。
3位を獲得したのは台湾の医療系ベンチャーGIMER Medical社。慢性背部痛などの緩和に使われる電気刺激機器の開発を行う。従来からある機器だが、コストが高く、電池交換などのメンテナンスを3年ごとに行う必要から普及があまり進んでいなかった。同社の機器はバッテリーを無くし小型化。さらに周波数のパラメータを研究し、効果が従来のものより持続するようになった。今後は低価格を売りにアジアで展開していきたいという。
惜しくも日本から出場した4社は最終審査に残らなかった。最終審査の審査員を務めたグローバル・ブレインの百合本安彦代表取締役社長は「クオリティは高かったが、プレゼンが弱い部分があった。今後海外で資金調達をする際には技術をうまくプレゼンする力が必要になるだろう」と評した。
AEAノミネーション委員会委員長を務める東京大学産学協創推進本部の各務茂夫教授は、「今年は初めて最終審査を経団連会館で行い、大企業からの聴講者も多かった。日本企業の間で、ベンチャー企業の力を取り込もうという流れがここ2、3年で強まってきている。今後はアジアのベンチャーと大企業とのマッチングの機会なども設けていきたい」と話した。
マレーシア、ロシア、台湾企業が受賞
優勝を勝ち取ったのはマレーシアのBorderPass社。現在紙で行っている入国審査用紙をデータにし、クラウドで管理。航空券の予約時、目的地当局に情報が送信され、渡航者は入国審査を迅速に通過できるようになるというシステムだ。非接触の指紋認証システムや高精度の顔認識システムなどを取り入れ、情報の暗号化に注力、セキュリティの強化を図っている。現在東南アジアの空港のうち40%は飽和状態にあり、経済成長に伴ってさらに利用者が増加するとみられている。今後は航空会社とのアライアンスなどを目指していくという。
同社には優勝賞金100万円のほか、副賞として三井不動産のコワーキングスペース利用権2年間分が進呈された。
2位は初出場のロシアからDRD Biotech社が受賞。軽度の外傷性脳損傷を診断する検査キットを開発している。MRI検査は高価で、軽度の脳しんとうなどの場合は使用されないことも多いというが、同社の血液検査キットを使えば20ドルほどで短時間での検査が可能だという。2018年にロシアでの販売開始を目指している。
3位を獲得したのは台湾の医療系ベンチャーGIMER Medical社。慢性背部痛などの緩和に使われる電気刺激機器の開発を行う。従来からある機器だが、コストが高く、電池交換などのメンテナンスを3年ごとに行う必要から普及があまり進んでいなかった。同社の機器はバッテリーを無くし小型化。さらに周波数のパラメータを研究し、効果が従来のものより持続するようになった。今後は低価格を売りにアジアで展開していきたいという。
日本企業は最終選考に残らず
惜しくも日本から出場した4社は最終審査に残らなかった。最終審査の審査員を務めたグローバル・ブレインの百合本安彦代表取締役社長は「クオリティは高かったが、プレゼンが弱い部分があった。今後海外で資金調達をする際には技術をうまくプレゼンする力が必要になるだろう」と評した。
AEAノミネーション委員会委員長を務める東京大学産学協創推進本部の各務茂夫教授は、「今年は初めて最終審査を経団連会館で行い、大企業からの聴講者も多かった。日本企業の間で、ベンチャー企業の力を取り込もうという流れがここ2、3年で強まってきている。今後はアジアのベンチャーと大企業とのマッチングの機会なども設けていきたい」と話した。
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