ヘルスケア、セキュリティ…NTTグループと国内外ベンチャー企業とのシナジー続々
「NTTドコモ・ベンチャーズDay vol.2」開催
NTTドコモ・ベンチャーズは、ベンチャー企業とNTTグループ事業の協業事例を紹介するイベント「NTTドコモ・ベンチャーズDay vol.2」を開催。国内外のベンチャー企業が登壇し、協業などでの取組みを発表した。
グッドサイクルシステム(東京都渋谷区)は薬局向けITサービスを提供している。NTTドコモは2012年より電子お薬手帳を開始したが、従来の電子お薬手帳は患者自らが薬の情報を登録しなければならなかった。これを薬局が行えるようにできないかと、すでに薬局でシステムを運営していたグッドサイクルシステムに声掛けをした。2015年より協業を進め、2016年3月に投資を行った。グッドサイクルシステム代表取締役 遠藤朝朗氏は「もともとBtoBの会社なので患者にサービスを提供するようなtoCのノウハウがなかった。今後は電子おくすり手帳が患者さんへの情報提供のゲートになれば」と話す。
<SundaySkyがドコモ顧客向けに配信した動画>
イスラエルのITベンチャー、SundaySkyは顧客に応じた動画をリアルタイムに配信するプラットフォームを提供している。顧客のプロフィール、購入履歴などをベースにリアルタイムに動画がつくられ再生される。NTTドコモでも同社のプラットフォームを使用した「One to One動画」の配信を始めており、さらなる事業拡大を見越して2016年6月に出資を決めた。モバイル市場は顧客の流動性が高まっており、マス広告より一対一のコミュニケーションが必要になっている。顧客の名前、契約状況、おすすめ機種などを動画で送ったところ、22%の受信者がアクションを起こし、4人に1人が新たな機種を買った。今後はモバイル領域以外にもOne to One動画の配信サービスを広げていくという。
<左からMIRACLのブライアン・スペクターCEO、日本電信電話 早川和宏氏、NTTソフトウェア 中野健司氏 >
イギリスのインターネットセキュリティベンチャー、MIRACLは「M-Pin」という新たなセキュリティ技術を確立した。NTTドコモベンチャーでは2年前に出資を開始し、2015年からはNTTソフトで販売を開始。顧客端末、認証サーバいずれにも認証に必要な完全情報を保持しない。顧客端末から発信された認証に必要な情報は直接通信路には流れず、アルゴリズムによる計算結果のみ流れる。さらに認証サーバ側でも異なるアルゴリズムにより再計算し、合っていれば認証される。さらに認証に必要な鍵は分割して生成、配信されるためより安全性が高い。今までのセキュリティであるデジタル証明書やパスでは、IoTの普及による膨大なデバイスには対応できない。ミラクルではセキュリティに使用されるカギを分散して発行し、パスなどをサービス提供者が格納しなくてよくなる。
さらに投資注目領域として、ドローンとイスラエルが紹介された。
2016年4月下旬に出資を決めたカナダのPrecisionHawk はドローンの管制システム、ドローンを使った情報収集・解析システムを開発している。AIで経路を自動計測したり、高精度画像分析技術を使い、農作物の状況を把握したりすることが可能。今後は障害物を避けて自律飛行する機能などを予定しているという。
続いて、イスラエルのベンチャーキャピタルCarmel Venturesのローネン・ニール氏が同国のベンチャー企業の特徴について解説した。国内マーケットは小さい、天然資源がない、防衛費が高いという足かせをメリットにし、グローバルへの輸出、研究開発への投資、防衛技術を民生化するという方策で成功している。フラッシュメモリ、インテルのプロセッサ、サムソンのカメラなどさまざまなテクノロジーを開発し、輸出。国民1人あたりのR&D費が世界1位(日本は2位)。さらには18歳ですべての国民が服役し個々人に適した専門知識を身に着け、服役後は企業に就職するほか、起業する若者も多い。これらの強みを生かし、より一層テクノロジーの開発および輸出を行っていくという。
NTTドコモ・ベンチャーズの秋元信行副社長は海外での投資、協業に対して「投資先も、単に資金というだけでなく我々が持っている技術をどう生かして協業していけるのかに興味を持ってくれている。例えばドローンに関しては、PrecisionHawkが日本進出する際に必要になってくる通信面を担当することができるし、我々としても最先端のドローンビジネスについて学ぶ機会になっている」と話す。
ヘルスケア、動画サービス、セキュリティ分野での協業・投資
グッドサイクルシステム(東京都渋谷区)は薬局向けITサービスを提供している。NTTドコモは2012年より電子お薬手帳を開始したが、従来の電子お薬手帳は患者自らが薬の情報を登録しなければならなかった。これを薬局が行えるようにできないかと、すでに薬局でシステムを運営していたグッドサイクルシステムに声掛けをした。2015年より協業を進め、2016年3月に投資を行った。グッドサイクルシステム代表取締役 遠藤朝朗氏は「もともとBtoBの会社なので患者にサービスを提供するようなtoCのノウハウがなかった。今後は電子おくすり手帳が患者さんへの情報提供のゲートになれば」と話す。
<SundaySkyがドコモ顧客向けに配信した動画>
イスラエルのITベンチャー、SundaySkyは顧客に応じた動画をリアルタイムに配信するプラットフォームを提供している。顧客のプロフィール、購入履歴などをベースにリアルタイムに動画がつくられ再生される。NTTドコモでも同社のプラットフォームを使用した「One to One動画」の配信を始めており、さらなる事業拡大を見越して2016年6月に出資を決めた。モバイル市場は顧客の流動性が高まっており、マス広告より一対一のコミュニケーションが必要になっている。顧客の名前、契約状況、おすすめ機種などを動画で送ったところ、22%の受信者がアクションを起こし、4人に1人が新たな機種を買った。今後はモバイル領域以外にもOne to One動画の配信サービスを広げていくという。
<左からMIRACLのブライアン・スペクターCEO、日本電信電話 早川和宏氏、NTTソフトウェア 中野健司氏 >
イギリスのインターネットセキュリティベンチャー、MIRACLは「M-Pin」という新たなセキュリティ技術を確立した。NTTドコモベンチャーでは2年前に出資を開始し、2015年からはNTTソフトで販売を開始。顧客端末、認証サーバいずれにも認証に必要な完全情報を保持しない。顧客端末から発信された認証に必要な情報は直接通信路には流れず、アルゴリズムによる計算結果のみ流れる。さらに認証サーバ側でも異なるアルゴリズムにより再計算し、合っていれば認証される。さらに認証に必要な鍵は分割して生成、配信されるためより安全性が高い。今までのセキュリティであるデジタル証明書やパスでは、IoTの普及による膨大なデバイスには対応できない。ミラクルではセキュリティに使用されるカギを分散して発行し、パスなどをサービス提供者が格納しなくてよくなる。
注目領域、ドローンとイスラエル
さらに投資注目領域として、ドローンとイスラエルが紹介された。
2016年4月下旬に出資を決めたカナダのPrecisionHawk はドローンの管制システム、ドローンを使った情報収集・解析システムを開発している。AIで経路を自動計測したり、高精度画像分析技術を使い、農作物の状況を把握したりすることが可能。今後は障害物を避けて自律飛行する機能などを予定しているという。
続いて、イスラエルのベンチャーキャピタルCarmel Venturesのローネン・ニール氏が同国のベンチャー企業の特徴について解説した。国内マーケットは小さい、天然資源がない、防衛費が高いという足かせをメリットにし、グローバルへの輸出、研究開発への投資、防衛技術を民生化するという方策で成功している。フラッシュメモリ、インテルのプロセッサ、サムソンのカメラなどさまざまなテクノロジーを開発し、輸出。国民1人あたりのR&D費が世界1位(日本は2位)。さらには18歳ですべての国民が服役し個々人に適した専門知識を身に着け、服役後は企業に就職するほか、起業する若者も多い。これらの強みを生かし、より一層テクノロジーの開発および輸出を行っていくという。
NTTドコモ・ベンチャーズの秋元信行副社長は海外での投資、協業に対して「投資先も、単に資金というだけでなく我々が持っている技術をどう生かして協業していけるのかに興味を持ってくれている。例えばドローンに関しては、PrecisionHawkが日本進出する際に必要になってくる通信面を担当することができるし、我々としても最先端のドローンビジネスについて学ぶ機会になっている」と話す。
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