原発部材の実力企業は、新素材の成形機を成長分野に

日本製鋼所が「複合材料研究開発センター」。7月から広島製作所内で稼働

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日本製鋼所のコンパウンディング用押出機
 日本製鋼所は炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)など新素材の成形機を研究開発する「複合材料研究開発センター」を広島製作所(広島市安芸区)内に新設した。7月に本格稼働する。投資額は約10億円。自動車や航空機分野などへ従来より生産性を高めた成形プロセスの装置を提案し、押出機やプレス機を組み合わせたシステムでの受注を目指す。

 センターの広さは約60平方メートルで10人の技術者が働く。新技術の2軸混練押出機や、炭素やガラスの長繊維を送り込むクリールスタンド、プレス機などの自社装置を設置。成形品を分析する装置類も置く。ユーザーに直接加工プロセスを見てもらい、個別のニーズに合わせたシステムを構築する。

 CFRTPは炭素繊維強化プラスチック(CFRP)より量産に向くとされ、自動車部品の軽量化に貢献する素材として期待が大きい。航空機やロボットなどの軽量化と剛性向上にも寄与できると見られ、加工技術の研究開発が進む。

 日本製鋼所もCFRTPやマグネシウム合金といった新素材の成形機の研究開発を進めている。主力の樹脂成形機とともに将来の成長を支える新規分野として力を注ぐ。

日刊工業新聞2016年5月20日

COMMENT

明豊
執行役員デジタルメディア事業担当 DX統括

日本製鋼所は原子炉の圧力容器のコアになる部材を生産。世界シェアが8割のトップメーカー。ただ原発の鋼材需要で回復が見通せず、室蘭製作所の固定資産を減損処理し16年3月期で2期連続の最終赤字に。同社は鋼材を生産する電炉メーカーの位置付けだが、産業機械が売上高の3分の2を占め利益のほとんどを稼いでいる。産業機械では自動車向けのフィルムシート製造装置などが好調。以前は原発部材に魅力を感じる国内外の企業が多かったが、最近では「産業機械」をM&A対象としてみるところも。

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