トンネル工事の搬送作業でも使えます!リチウムイオン電池搭載機関車の実力とは
新トモエ電機工業(東京都品川区)は、地下鉄などのトンネル工事の際、搬送作業で活躍する電動機関車「サーボロコ」にリチウムイオン二次電池を採用した新モデルを開発した。総重量は15・4トンと大型。山田渉専務は「これだけ大型車両でリチウムイオン電池を搭載したのは業界初」と強調する。
電動機関車は工事現場に敷いたレールの上を走りながらコンクリート部材などの重量物を運ぶ機械。大型工事では多く利用される。だが、国内は地下鉄や道路トンネルなどの大型工事が減り、サーボロコの需要地も地下鉄網の構築を急ぐ東南アジアやインドなどの新興国に移っている。そうした変化を受け、電動機関車のさらなる性能向上や海外サービス体制の整備などが求められているという。
新モデルは、従来の鉛蓄電池搭載型と比較してフル充電時の走行距離が5・2キロメートル増えて23・9キロメートル。電池は外注品だが「リチウムイオン電池の仕様決定や性能保証は入念に取り組んだ」(山田専務)という。充電装置も改良しフル充電までの時間が従来機比約8分の1の1時間で済む。
また、駆動に使うサーボモーターも小型にしつつ容量を増やした。そのため定格速度が鉛蓄電池のモデルに比べて時速が2・5キロメートルアップの同11・8キロメートルになっている。海外ではメンテナンスの手間を省きつつ、より長時間、多くの重量物を運び続けるというニーズが強い。性能を高めることでニーズに応えた。大きさは全長約5・1×幅約1・4×高さ約1・9メートル。受注生産で価格は8000万円から。2015年10月から3年で累計50台の販売を目指す。
海外サービスは親会社で建設機械レンタル大手の西尾レントオールが持つ東南アジアなどの営業網を生かして迅速に対応する。技術者の教育にも注力しており、電動機関車を製造する御殿場工場の大立勝美取締役工場長によると「15年にシンガポールの技術者2人を御殿場に受け入れて教育した」といった取り組みを進めている。
(文=石橋弘彰)
電動機関車は工事現場に敷いたレールの上を走りながらコンクリート部材などの重量物を運ぶ機械。大型工事では多く利用される。だが、国内は地下鉄や道路トンネルなどの大型工事が減り、サーボロコの需要地も地下鉄網の構築を急ぐ東南アジアやインドなどの新興国に移っている。そうした変化を受け、電動機関車のさらなる性能向上や海外サービス体制の整備などが求められているという。
新モデルは、従来の鉛蓄電池搭載型と比較してフル充電時の走行距離が5・2キロメートル増えて23・9キロメートル。電池は外注品だが「リチウムイオン電池の仕様決定や性能保証は入念に取り組んだ」(山田専務)という。充電装置も改良しフル充電までの時間が従来機比約8分の1の1時間で済む。
また、駆動に使うサーボモーターも小型にしつつ容量を増やした。そのため定格速度が鉛蓄電池のモデルに比べて時速が2・5キロメートルアップの同11・8キロメートルになっている。海外ではメンテナンスの手間を省きつつ、より長時間、多くの重量物を運び続けるというニーズが強い。性能を高めることでニーズに応えた。大きさは全長約5・1×幅約1・4×高さ約1・9メートル。受注生産で価格は8000万円から。2015年10月から3年で累計50台の販売を目指す。
海外サービスは親会社で建設機械レンタル大手の西尾レントオールが持つ東南アジアなどの営業網を生かして迅速に対応する。技術者の教育にも注力しており、電動機関車を製造する御殿場工場の大立勝美取締役工場長によると「15年にシンガポールの技術者2人を御殿場に受け入れて教育した」といった取り組みを進めている。
(文=石橋弘彰)
2016年5月19日 機械・ロボット・航空機2