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アートをテーマに巡る岡山の旅

おみやげはかわいいマスキングテープがおすすめ
アートをテーマに巡る岡山の旅

観光列車「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」

 JRグループ4月から6月まで「晴れに国おかやまデスティネーションキャンペーン(岡山DC)」を開催し、観光地として岡山をアピールしている。岡山DCのテーマは、ずばり「アート」。現代アートを楽しめる観光列車を運行しているほか、港では、廃材を利用したオブジェを展示するなど、各地でアートを楽しめる岡山の旅をPRしている。

 JR西日本は、岡山DCの開催に合わせて、宇野線の岡山―宇野間で、観光列車「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」の運行を始めた。ラ・マル・ド・ボァはフランス語で「木製の旅行かばん」を意味する。車両デザインは、瀬戸内の島々を舞台に毎年開催している「瀬戸内国際芸術祭」の総合ディレクターの北川フラムさんが監修。外装は白い車両に黒い太線で車窓をかばんのように見立てて描き、旅情を誘うデザインになっている。

 ラ・マル・ド・ボァは、サイクリングの人気が高まりで、瀬戸大橋を自転車で渡るなど、周辺を自転車で巡る人が増えていることを受け、自転車を収納できるサイクルスペースを設けているのも特徴。岡山駅のホームには、自転車を留めておけるスペースがあるほか、車内は最大8台をそのまま載せられる。

(イタリアのアート作家エステル・ストッカー氏がデザインした駅アートがある八浜駅)

 途中の八浜駅には、イタリアのアート作家エステル・ストッカー氏がデザインした駅アートを設置。列車の外観に合わせて、ホームは白と黒で構成されたデザインになっている。列車がやってくると、駅と列車のコラボレーションが楽しめる。終点の宇野駅も駅舎をストッカー氏のデザインにリニューアルした。いずれも2016年の瀬戸内国際芸術祭の出展作品で、アートを強く打ち出した列車になっている。

(廃材を利用したオブジェ「宇野のチヌ」)

 ラ・マル・ド・ボァの終点となる宇野駅の近くにある宇野港では、瀬戸内国際芸術祭の過去の出品作品である、廃材を利用したアート作品を展示している。宇野港からは、瀬戸内国際芸術祭の作品を展示する瀬戸内の島々を巡る「瀬戸内アートクルーズ」を実施している。ルートは、宇野港 → 直島 → 犬島 → 宇野港 → ダイヤモンド瀬戸内マリンホテル → 児島観光港で、出品作品を効率よく回れるのが、メリットだ。

 また、岡山県は「マスキングテープ」の発祥の地。マスキングテープは、塗装やコーキングの際に、作業箇所以外を汚さないために使われる保護用テープだが、最近は、工業用に加え、文房具としても人気が高まっており、岡山の観光地では、お土産品として色とりどりのマスキングテープが置いてある。岡山DCのロゴは、マスキングテープを生かしたオリジナルデザインで、車両にもラッピングしている。

(大原美術館に展示されているマスキングテープのアート)

 倉敷の大原美術館では、マスキングテープとコラボレーションしたアートを多数展示している。また、外観もマスキングテープで装飾している。分館の体験コーナーでは、マスキングテープを自由にアレンジして、オリジナルの箱を作ることができるほか、ミュージアムショップでは、美術館オリジナルのマスキングテープを販売している。

 大原美術館がある倉敷美観地区は、川の両側に、塗屋造りの町家や白壁土蔵造りを中心とする町並みが形成され、江戸の風情が残る、情緒あふれる街。駅から歩くと、突然、タイムスリップしたかのような感覚に陥るのが面白い。歴史のロマンに浸ることができる。
 
 岡山は、年間の降水量1ミリ未満の日数が全国1位と、晴れの日が最も多い県。観光の予定も立てやすいし、それを予定通りにこなせる可能性も高い。これを機に一度、訪れてみてはいかが。

(体験コーナーではマスキングテープを自由にアレンジしてオリジナルの箱を作ることができる)
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高屋優理
高屋優理 Takaya Yuri 編集局第二産業部 記者
最近、人気が高まって、コレクターも増えているマスキングテープ。岡山にはオリジナルのかわいいマスキングテープがたくさんあって、マニアにはたまらないと思います!!

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