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ジャパンディスプレイがノートPC向け中型液晶に参入

シャープの「IGZO」と激突
 ジャパンディスプレイ(JDI)は、パソコンなどに搭載する中型液晶パネル事業に参入する。得意とする低温ポリシリコン(LTPS)技術を生かし、主にノートパソコン画面の高精細化や高機能化ニーズに応える。年末にも国内で量産を始める。シャープもコスト競争力に強みを持つ「酸化物半導体(IGZO)」技術で、中型液晶パネル事業を強化している。今後、JDI、シャープの日系勢の競争が激化しそうだ。

JDIはスマートフォン向け液晶事業への依存度が高いことが経営課題。車載向け液晶などと並び中型液晶事業を育成し経営の安定化につなげる。

JDIは10―14インチ程度の中型液晶パネルを製品化する見通し。台湾などのパソコン関連メーカーに提案を始めた。中型液晶は1枚でスマホ向け数枚分の面積があり、工場の稼働率を高めやすい。

 ノートパソコン画面は高精細化が進みつつあり、フルハイビジョン(FHD)やその4倍の解像度を持つ「4K」対応機種なども増えていく見通し。また画面部分を切り離してタブレット端末のように使える「2イン1」タイプの市場が拡大しており、タッチパネル機能や、液晶の囲いを細くする狭額縁化のニーズが高まっている。
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日刊工業新聞2016年5月12日
後藤信之
後藤信之 Goto Nobuyuki ニュースセンター
JDIの売上高のうち8割以上をスマホ向け液晶事業が占める。本間充会長兼CEOはこの比率を引き下げるため、非スマホ分野を伸ばす方針を示している。同分野で有力視するのは車載向け液晶、中型液晶、反射型液晶の3つ。これらの中でも中型液晶は本間CEOの肝いりだ。記事でも触れたが、中型液晶を巡ってはシャープも強化する方針。シャープはIGZO液晶を、サイズの大きな第8世代基板で量産できる。一方、JDIのLTPS液晶は第6世代基板での量産が限界であり、コスト競争力では見劣りする。JDIはタッチパネル機能を組み込む「インセル」などの得意技術を生かし、このコスト課題を解決できるか。

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