遅れを取り戻す!「MRJ」米国の空へ
秋から試験飛行。今後約2年で計2500時間を飛ばす
国産小型ジェット旅客機「MRJ」を開発する三菱航空機(愛知県豊山町)は秋から米国で試験飛行を始める。開発環境が整った米国で少しでも早く試験を始められるよう「秋頃を予定していた北米への試験機の回送(フェリー)を夏に前倒しする」(森本浩通社長)方針だ。2018年半ばに設定する全日本空輸(ANA)への初号機納入に向けて、MRJ開発の最前線は、日本から米国に移る。
「お、出てきたぞ」。愛知県営名古屋空港(豊山町)のデッキに詰めかけた航空ファンはしきりにカメラのシャッターを切る。レンズの先にあるのはMRJの試験機だ。
MRJは15年11月に、試験1号機が初飛行した。「もうすぐ2号機も初飛行する」(岸信夫副社長)。2号機は5月か6月、3、4号機はその1、2カ月後にそれぞれ初飛行する予定だ。
これまで量産初号機の納期を4度遅らせた三菱航空機。この遅れを取り戻すためにも、米国での試験を急ぐ必要がある。同社が米国での試験拠点とするグラント郡国際空港(ワシントン州モーゼスレイク)は5本の滑走路を備え、晴天率9割と気象条件に恵まれる。
日本国内での飛行は1日1回が限度だが「モーゼスレイクなら1日最大3回は飛ばせる」(岸副社長)。同社は試験機を4機持ち込むため、物理的には1日最大12回の飛行が可能だ。高高度での離着陸試験や寒冷地試験が可能な場所も、全米に点在する。
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(昨年の初飛行)
「お、出てきたぞ」。愛知県営名古屋空港(豊山町)のデッキに詰めかけた航空ファンはしきりにカメラのシャッターを切る。レンズの先にあるのはMRJの試験機だ。
MRJは15年11月に、試験1号機が初飛行した。「もうすぐ2号機も初飛行する」(岸信夫副社長)。2号機は5月か6月、3、4号機はその1、2カ月後にそれぞれ初飛行する予定だ。
これまで量産初号機の納期を4度遅らせた三菱航空機。この遅れを取り戻すためにも、米国での試験を急ぐ必要がある。同社が米国での試験拠点とするグラント郡国際空港(ワシントン州モーゼスレイク)は5本の滑走路を備え、晴天率9割と気象条件に恵まれる。
日本国内での飛行は1日1回が限度だが「モーゼスレイクなら1日最大3回は飛ばせる」(岸副社長)。同社は試験機を4機持ち込むため、物理的には1日最大12回の飛行が可能だ。高高度での離着陸試験や寒冷地試験が可能な場所も、全米に点在する。
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(昨年の初飛行)
日刊工業新聞2016年5月5日