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ホンダジェット、熊本の空を舞う!九州に初飛来

「熊本はハワイのような素晴らしいところ。働く人たちや家族にも見て欲しい」(藤野社長)
 熊本空港で4月29日、小型ビジネスジェット機「HondaJet(ホンダジェット)」のデモフライトや機体展示、説明会が行われた。会場の崇城大学空港キャンパスには、午前と午後合わせて約400人が集まったほか、空港周辺にも多くの航空ファンが詰めかけた。ホンダジェットの九州への飛来は初めて。

 ホンダジェットは、本田技研工業の米国子会社ホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)が開発。主翼上に配された低騒音エンジンや、期待の空気抵抗を低減するNLF(自然層流)技術、複合材を使った胴体、標準仕様で乗客4人が乗れるゆったりとした客室、タッチパネル式グラスコックピットなどが特徴。エンジンは米GEとの合弁会社GEホンダ製HF120を搭載する。乗員1人でも運航出来る。

 ホンダが航空機の研究開発に着手したのは、29年前の1986年。11年後の1997年にホンダジェットのコンセプトスケッチが生まれ、2003年にコンセプト実証機が初飛行に成功した。

 その後、2006年にHACIが設立されて受注を開始。量産初号機の初飛行には2010年に成功し、今年3月にはFAA(米国連邦航空局)の事前型式証明(PTC)を取得している。

 熊本はホンダ4番目の製作所である熊本製作所が、1976年に操業を開始。国内の事業所の中で敷地が最も広く、排気量1800ccの大型二輪クルーザー「ゴールドウイング」などの二輪車や、エンジンの量産を手掛けている。九州でホンダゆかりの地である熊本が、日本各地で開かれる展示の地に選ばれ、量産16号機が熊本の空を舞った。

 HACIの藤野道格社長は、「熊本は初めて訪れたが、ハワイのような素晴らしいところ。熊本で働く人たちや家族にも見て欲しい」と感想を述べた。

 ホンダジェットの日本でのお披露目は、ワールドツアーの一環。25日に羽田空港の格納庫でメディア向けに公開後、25日に仙台空港、26日に神戸空港、29日に熊本空港、5月2日から3日までは岡山市の岡南飛行場、4日は成田空港で見学会やデモフライトが行われる。

 熊本空港では、午前と午後の部でそれぞれデモフライトを披露。滑走路上を低空飛行する「ローパス」も行われ、低騒音と運動性能の高さをアピールした。

 藤野社長は、「日本ではビジネスジェットを見たことがない人も多い。今回のツアーが、ホンダジェットやビジネスジェットの理解につながって欲しい」と語った。

吉川忠行
吉川忠行 Yoshikawa Tadayuki Aviation Wire 編集長
日本各地で展示やデモフライトを行っているホンダジェット。九州は熊本空港で開催しました。 熊本にはホンダの国内事業所では敷地が最も広い熊本製作所があります。ビジネスジェット=贅沢品という古い固定概念が払拭されて欲しいものです。

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