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VWの復活は地道な生産改革から。ドイツで広がるロボと人の協調

ボッシュも安全性の高いシステム開発
VWの復活は地道な生産改革から。ドイツで広がるロボと人の協調

VWが導入する協調ロボット(右はエンジンを載せたAGV、左がロボット)

 【ハノーバー=清水信彦】人間とロボットを協調作業させる動きがドイツでも広がってきた。独フォルクスワーゲン(VW)は、ニーダーザクセン州ヴォルフスブルクにある本社工場のエンジン組み立てラインで、人と協調作業するロボットを2週間後に導入する。独ボッシュも自社で開発した協調ロボットの外部販売を始めた。労働力の補完など用途が広がることが期待される。

 VWが導入するロボットは、ロボットアーム本体に独KUKA製を採用。無人搬送台車(AGV)で運ばれてきたエンジンに部品を組み付ける際、人間はエンジン上部を担当しロボットはエンジン下部への部品組み付けを受け持つ。

 ロボットの導入により、作業全体にかかる時間を20秒間短縮。併せて、腰をかがめなければならないような作業をロボットが受け持つことで、作業員の体への負担を減らせるという。

 ボッシュが開発したロボットは、アーム部分を全面的に覆う黒いカバーがセンサーとなっている。人が接近した際は電磁波を検知して、ロボットが接触する前に停止する。ドイツの雇用者損害賠償保険協会から安全性の認定を受け、安全柵なしに人と協調動作させることが可能になる。

 スイスのABBも、7軸の双腕ロボット「YuMi」を昨春以来販売している。センサーを使わず、プログラミングされていない地点で接触した場合に瞬時に停止する仕組み。ドイツの自動車業界で採用が始まった。

 人と協調動作するロボットは日本勢もファナックの「緑のロボット」など製品化と普及が始まった。いずれ機械学習技術が普及してロボットが作業をみずから高度化することになれば、人と機械が相互にスキルを高めていく新しい工場のあり方が見えてくる。
日刊工業新聞2016年4月27日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
ドイツのインダストリー 4.0は、ロボットをインテリジェントにすることには目が向いてなく、センシングされたデータ処理にフォーカスされていると思っていただけに意外だったが、やはり侮れない。

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