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充填×外張りで断熱性能2倍に! LIXILが戸建て住宅向け工法を提案

充填×外張りで断熱性能2倍に! LIXILが戸建て住宅向け工法を提案

新しい高断熱工法「スーパーウォール デュアル」の断熱材

 LIXILは新築住宅の独自工法「スーパーウォール(SW)工法」の断熱性能を、2倍に高めた。中小の工務店など全国約9000社の加盟店向けに、近く提供を始める。SW工法による新築住宅のうちネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)が占める割合を、2017年度に50%まで引き上げるのが目標。国の方針でもあるZEH普及に積極的に取り組む中小を技術面から支援し、建材の拡販につなげる。

 SW工法はLIXIL独自の断熱パネルや窓、換気システムを使って家を建てる。プランニングや設計などのソフト面も組み合わせて提供するほか、研修や勉強会の定期的な開催により「誰が施工しても同じ性能の住宅を建てられるようにしている」(リビングシステム事業本部外装事業部)。1995年に加盟店制度をスタートし、累計4万4000棟の建築実績がある。

 新開発の「スーパーウォール デュアル」はSW工法の充填(じゅうてん)断熱に加え、外張り断熱を併用する。断熱性能が2倍になるほか、防露性能も向上する。断熱材は張る場所に合わせてすべてカットしてから出荷し、施工図面も用意するため施工にむらがない。熱回収率90%を誇る熱交換換気ユニット「エコエア90」と、複合窓や樹脂窓といった高性能の窓も組み合わせる。

 政府は20年までに、標準的な新築住宅の約9割をZEH化することを目指している。大手住宅メーカーはこぞってZEHに力を入れており、中小の工務店にとっても死活問題になりつつある。SW工法による15年度の新築住宅のうち、ZEH比率は約35%。寒冷地などのZEH化にも対応できる新しいSW工法を投入し、中小工務店の要望に応える。
日刊工業新聞2016年4月26日 建設・エネルギー・生活1面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
充填断熱は柱と柱の間などに断熱材を詰めて施工しますが、家の外側をすっぽり覆う外張り断熱に比べ、構造材を通じて熱が伝わるため断熱性は劣ります。これを解決するのが新工法と言えます。ただ断熱材と施工コストが嵩み、建物が外側に張り出すことになります。二重に断熱するのであれば、外壁自体を断熱性の髙いものにするという考え方もあります。

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