【熊本地震】「負けんばい!」踏ん張る中小−生産再開、社員の結束
熊本地震から1週間の熊本県内は21日、大雨に見舞われた。山間部では土砂災害も心配される中、被災した中小企業では社長も従業員も疲労が極限に迫る。その中で復旧への大きな力となっているのが社員の結束だ。
坂本石灰工業所(熊本県玉名市)は、地震で食品用乾燥剤など製品の3分の1を破棄しなければならなかった。16日に一部機械を動かしながら片付けて20日に生産を再開した。坂本達宣社長は「工場も社員も家族も被災が小さかった。生産を再開できたのは全社員がそろって取り組んだことが大きい」と話す。
メッキ加工の熊防メタル(熊本市東区)でもメッキラインの復旧が進んだ。前田博明社長は「業界が協力して仕事の一部を肩代わりしてくれた」と協力に感謝する。社内では「”負けんばい!熊防メタル“」というキャッチフレーズをつくり、昼夜を問わず復旧に取り組んだ。前田社長は「社員の団結力が一段と強まった。今週は応急処置で対応したが、来週中には稼働する装置もある」という。
本社ビルと工場が被災したオオクマ電子(熊本市東区)は「被災後はバタバタだったが社員一同自発的に動いた。社員の協力があって復旧に向けて動きだした」(大隈秀義会長)。生産設備に大きな被害はなかったが別の場所に運び出し、近く操業を再開する予定。
新日本ステンレス工業(熊本市東区)の池上正純社長は、フェイスブックに「仲間に会い、励まし合い、泣き、笑いを共有すると元気が出ます。中長期的には会社の復興は絶対大事。しかし支える従業員の生活の再興が第一」と記した。その上で「熊本はまだ激甚災害の指定を受けていない。今後の経済復興には民間の活力が必要」と力のこもった表情をみせた。
(文=熊本支局長・勝谷聡)
坂本石灰工業所(熊本県玉名市)は、地震で食品用乾燥剤など製品の3分の1を破棄しなければならなかった。16日に一部機械を動かしながら片付けて20日に生産を再開した。坂本達宣社長は「工場も社員も家族も被災が小さかった。生産を再開できたのは全社員がそろって取り組んだことが大きい」と話す。
メッキ加工の熊防メタル(熊本市東区)でもメッキラインの復旧が進んだ。前田博明社長は「業界が協力して仕事の一部を肩代わりしてくれた」と協力に感謝する。社内では「”負けんばい!熊防メタル“」というキャッチフレーズをつくり、昼夜を問わず復旧に取り組んだ。前田社長は「社員の団結力が一段と強まった。今週は応急処置で対応したが、来週中には稼働する装置もある」という。
本社ビルと工場が被災したオオクマ電子(熊本市東区)は「被災後はバタバタだったが社員一同自発的に動いた。社員の協力があって復旧に向けて動きだした」(大隈秀義会長)。生産設備に大きな被害はなかったが別の場所に運び出し、近く操業を再開する予定。
新日本ステンレス工業(熊本市東区)の池上正純社長は、フェイスブックに「仲間に会い、励まし合い、泣き、笑いを共有すると元気が出ます。中長期的には会社の復興は絶対大事。しかし支える従業員の生活の再興が第一」と記した。その上で「熊本はまだ激甚災害の指定を受けていない。今後の経済復興には民間の活力が必要」と力のこもった表情をみせた。
(文=熊本支局長・勝谷聡)
日刊工業新聞2016年4月22日 総合3面