JAL、マイクロソフト「ホロレンズ」でパイロット訓練
日本航空(JAL)とマイクロソフトは、新型ホログラフィックコンピューター「Microsoft HoloLens(ホロレンズ)」を使った訓練システムのコンセプトモデルを開発した。パイロットと整備士が訓練に使用することを想定したもので、今後検証と開発を進め、将来的な実用化を目指す。
ホロレンズはゴーグルのような形状のAR(拡張現実)ヘッドセットで、Windows 10を搭載した新しいホログラフィックコンピューター。スマートフォンやパソコンなどの外部機器と接続せずに、ワイヤレスで使用できる。現在は米国とカナダで開発者向けセットが提供されている。
ホロレンズを通して自分がいる空間に3D(三次元)ホログラムを配置できることから、手に持っているマニュアルや書類などを見ながらホログラムの映像を活用することができる。
JALとマイクロソフトは、2015年8月から共同でJALの業務での活用を検証。JALはエアラインでは初めてホロレンズのビジネスパートナーとなり、アジアでも初となった。JALによると、マイクロソフトに活用方法などをプレゼンテーションしたところ採用され、共同開発が決まったという。
4月18日に都内で発表されたコンセプトモデルは、パイロットと整備士が訓練に使用することを想定。2つのコンセプトを具現化する初期的な開発を実施した段階で、今後は両分野で開発を進めて実用化を目指し、そのほかの領域でも活用を検討していく。
パイロット向けは運航乗務員訓練生用で、JALが副操縦士の初期訓練に使用するボーイング737-800型機のコックピットを再現した。
ホロレンズを装着することで、リアルなコックピット空間をいつでもどこでも体感でき、訓練生が副操縦士昇格訓練を受ける際、補助的なトレーニングツールとして活用できるようにする。
現在、訓練の初期段階では、コックピット内の計器やスイッチ類を模した写真パネルに向かって操作をイメージし、操縦手順を学習している。このため、実機のように配された機器類に触るのは、シミュレーターを使った訓練まで難しい。
ホロレンズ導入により、目の前にある空間にコックピット内の計器やスイッチ類がホログラムとして浮かび上がり、実機のような機器の位置関係で操作を、映像や音声ガイダンスに従ってシミュレーション出来るようになる。
ホロレンズのスピーカーは、音が聞こえる位置もプログラミングできる。開発に携わるJALの和田尚機長によると、訓練生の隣に教官が座っている設定にすると、ホロレンズを装着した訓練生が顔をどこへ向けても、自分の隣に教官がいるかのように聞こえるという。
一方、通信で使用するヘッドセットに設定すると、ヘッドセットやヘッドフォンのように耳のそばで音が聞こえるようになり、柔軟な設定が行える。
JALではホロレンズ導入による、訓練の短縮は考えていない。フライトシミュレーターを使った訓練は、従来よりも操縦訓練に特化し、出発前にコックピットで行う操作など、操縦以外の訓練にホロレンズにを取り入れることで、訓練の質的向上を目指す。
整備士向けでは、ボーイング787型機の米GE製エンジン「GEnx」を再現。整備士の養成訓練で、エンジンの構造や部品名称、システム構造などを、いつでもどこでも、よりリアルに体感・学習できるようにする。
現在は訓練時間が航空機が運航していない時間を活用するなどの制約がある。また、エンジン構造の教育は教科書の平面図で実施している。エンジン内部はパネルを開けないと見ることが出来ないため、ホロレンズを活用することで、内部構造に触れられる機会を増やし、訓練内容を充実させる。
JALでは、ボーイング777型機の後継機として、エアバスA350 XWBを2019年から導入予定。こうした実機のない機体に対する訓練にも、ホロレンズの活用が期待される。
ホロレンズはゴーグルのような形状のAR(拡張現実)ヘッドセットで、Windows 10を搭載した新しいホログラフィックコンピューター。スマートフォンやパソコンなどの外部機器と接続せずに、ワイヤレスで使用できる。現在は米国とカナダで開発者向けセットが提供されている。
ホロレンズを通して自分がいる空間に3D(三次元)ホログラムを配置できることから、手に持っているマニュアルや書類などを見ながらホログラムの映像を活用することができる。
JALとマイクロソフトは、2015年8月から共同でJALの業務での活用を検証。JALはエアラインでは初めてホロレンズのビジネスパートナーとなり、アジアでも初となった。JALによると、マイクロソフトに活用方法などをプレゼンテーションしたところ採用され、共同開発が決まったという。
4月18日に都内で発表されたコンセプトモデルは、パイロットと整備士が訓練に使用することを想定。2つのコンセプトを具現化する初期的な開発を実施した段階で、今後は両分野で開発を進めて実用化を目指し、そのほかの領域でも活用を検討していく。
737-800のコックピット再現
パイロット向けは運航乗務員訓練生用で、JALが副操縦士の初期訓練に使用するボーイング737-800型機のコックピットを再現した。
ホロレンズを装着することで、リアルなコックピット空間をいつでもどこでも体感でき、訓練生が副操縦士昇格訓練を受ける際、補助的なトレーニングツールとして活用できるようにする。
現在、訓練の初期段階では、コックピット内の計器やスイッチ類を模した写真パネルに向かって操作をイメージし、操縦手順を学習している。このため、実機のように配された機器類に触るのは、シミュレーターを使った訓練まで難しい。
ホロレンズ導入により、目の前にある空間にコックピット内の計器やスイッチ類がホログラムとして浮かび上がり、実機のような機器の位置関係で操作を、映像や音声ガイダンスに従ってシミュレーション出来るようになる。
ホロレンズのスピーカーは、音が聞こえる位置もプログラミングできる。開発に携わるJALの和田尚機長によると、訓練生の隣に教官が座っている設定にすると、ホロレンズを装着した訓練生が顔をどこへ向けても、自分の隣に教官がいるかのように聞こえるという。
一方、通信で使用するヘッドセットに設定すると、ヘッドセットやヘッドフォンのように耳のそばで音が聞こえるようになり、柔軟な設定が行える。
JALではホロレンズ導入による、訓練の短縮は考えていない。フライトシミュレーターを使った訓練は、従来よりも操縦訓練に特化し、出発前にコックピットで行う操作など、操縦以外の訓練にホロレンズにを取り入れることで、訓練の質的向上を目指す。
整備士向けでは、ボーイング787型機の米GE製エンジン「GEnx」を再現。整備士の養成訓練で、エンジンの構造や部品名称、システム構造などを、いつでもどこでも、よりリアルに体感・学習できるようにする。
現在は訓練時間が航空機が運航していない時間を活用するなどの制約がある。また、エンジン構造の教育は教科書の平面図で実施している。エンジン内部はパネルを開けないと見ることが出来ないため、ホロレンズを活用することで、内部構造に触れられる機会を増やし、訓練内容を充実させる。
JALでは、ボーイング777型機の後継機として、エアバスA350 XWBを2019年から導入予定。こうした実機のない機体に対する訓練にも、ホロレンズの活用が期待される。