「超硬合金」で新規開拓、片桐製作所が本格化
片桐製作所(山形県上山市、片桐均社長)は、超硬合金素材事業の新規開拓を本格的に始める。粉末状の同素材を顧客の要求に応じた形状に焼結して供給する事業で、月100個など少量からでも対応する。これまで特定分野への供給が中心だったが、焼結条件のノウハウを蓄積したことなどを踏まえ、試作から量産など幅広い業種への提案型営業に取り組む。
粉末状の超硬合金素材の成形品は、手のひらサイズが主力。通常の超硬合金より硬く、折れにくい特性を持つ自社開発の新素材を用いた金型の外販も手がけている。
超硬合金素材の成形品は、自社材種で見ると超微粒子材種、耐摩耗材種、耐衝撃材種など顧客の使用用途に応じた材種を用意している。
金型の外販などの新規事業を展開する拠点「F10棟」(山形市)には、超硬合金粉末の焼結に向けた成形工程のプレス加工設備を新規に導入したほか、焼結炉も増設し計4基体制とした。これまで粉末状の超硬素材の成形品は、住宅分野向けへの供給など特定の顧客に限られていた。
コロナ禍も過ぎたことから、「業種を絞った展示会への出展など、提案営業に力を入れていく」(鏡幸博取締役部長)としている。
日刊工業新聞 2024年12月16日