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アルビレックス新潟、パートナー企業とチーム力強化、ともに成長を

J1・アルビレックス新潟がギリギリの16位でJ2降格を免れた。クラブの経営側には奮起を期待したい。

12月初旬、Jリーグ幹部と仕事で一緒になった。11月30日のガンバ大阪戦、新潟のホームスタジアムに来場してサポーターの多さを実感したという。同日のJリーグの試合でもっとも集客したのが新潟の27628人。当日、新潟だけが荒天で、しかも気温10度という悪天候でも最多の観客だった。

Jリーグによると24年リーグ戦の新潟の入場者数は42万人。これは20クラブ中8位。鹿島や神戸、川崎といったビッグクラブと肩を並べる。しかも、今季ホームでわずか4勝(リーグ戦のみ)でも観客数は順位以上だ。この集客力をチーム力の強化に生かせないのか。

経営の課題を解決するのが経営陣の役割。ホームで勝利できないことが課題としたら、その原因は何か。例えば23年実績の新潟のチーム人件費は8億円。J1平均の23億円を大きく下回って最下位であり、J2の7位と同水準だ。新潟の選手は他のJ1クラブの3分の1の年俸ということになる。明らかに劣っている点だ。

もし新潟の課題が人件費であるなら、上げてほしい。いまの選手のパフォーマンスが向上し、新戦力も獲得できる。

既存に限らず新規のパートナー企業にとっても観客数は魅力であるはずだ。経営側は集客力という価値を資金獲得に生かし、人件費を捻出できないのだろうか。そもそも新潟の売上高は36億円とJ1で13位(23年)。決して魅力がないわけではない。

Jリーグを取り巻く環境が大きく変わろうとしている。負けてもスタジアムに足を運ぶファンに甘えた「ゆでガエル」のままでは、ジリジリと後退する。

新潟は母体企業を持たず、地域でイチからつくったクラブだ。他にも地域クラブ・市民クラブが各地で育っている。課題にぶつかった時、クラブ1社だけの努力では限界があり、パートナー企業との関係強化が求められる場面があると思う。クラブとパートナー企業が一緒に成長できれば理想的であり、スポンサー料のやりとり以外の関係性となるはず。新潟のクラブ、パートナー企業が一緒に成長する手段が「ホームゲームの勝利による観客の満足度アップ」であるなら人件費を上げてほしい、とファンの一人として願う。

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松木喬
松木喬 Matsuki Takashi 編集局第二産業部 編集委員
8億円は23年の実績です。24年はいくらだったのでしょうか。ルヴァン杯は2位でした。関東にJクラブが集中していますが、Jリーグは地域密着を掲げています。地方クラブの経営スタイルがあると思っています。そのスタイルを進化させてほしいです。

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