2ナノ量産迅速化…ラピダス、半導体設計2社と協業
ラピダス(東京都千代田区、小池淳義社長)は11日、次世代半導体の量産に向けて電子回路の設計自動化(EDA)ツール大手2社とそれぞれ協業すると発表した。米シノプシスとは半導体設計期間の短縮で、同ケイデンス・デザイン・システムズとは人工知能(AI)、高性能コンピューティング(HPC)向けの半導体設計で協業する。EDA大手と組むことで高性能な半導体を迅速に供給できる体制を構築する。
シノプシスとは設計期間短縮につながるソリューションを共同開発する。設計情報群や製造プロセスの更新に合わせて、IP(半導体の回路情報)の特性を見直す必要がある。再評価のためのモデル生成に通常2―3カ月かかるとされるが、AIの活用などで数日間に短縮。設計のボトルネック解消を目指す。
さらに、ラピダスが量産を目指す回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)世代の半導体に裏面電源供給技術を適用するため、ケイデンスの設計ソリューションを活用する。裏面電源供給は電力を供給する電源線と信号をやりとりする信号線をウエハーの別の層に分けることでトランジスタに電気を供給しやすくする技術。回路微細化やデバイスの高性能化に必要とされ、米インテルや台湾積体電路製造(TSMC)なども実用化を目指している。
日刊工業新聞 2024年12月12日