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CNTで透明ヒーター開発、デンソーが北欧社と実用化連携

デンソーはフィンランドのカナツと、カーボンナノチューブ(CNT)技術の実用化に向けて連携を強化する。カナツのCNTを活用し、自動車向けカメラやフロントガラス用の透明ヒーターを開発する。CNTの量産技術やサプライチェーン(供給網)の構築でも協力する。カメラ用ヒーターは2028年をめどに量産開始を目指す。

CNTは高強度で軽く、電気・熱の伝導性も持つ炭素素材。カナツは独自材料を使った高純度のCNTを高効率に生成する技術を強みとし、透明な導電膜を形成できる。

両社の連携では特に透明ヒーターの実用化を加速する。太陽光発電技術など新たな応用技術も開発するほか、製造設備・プロセスといった量産技術の向上、安定供給のためのサプライチェーン構築も進める。

車はカメラなどで周囲を検知しているが、曇りや霜が発生すると検知が難しくなる。こうした課題をCNT技術などで解決する。デンソーは15年4月にカナツとの連携を開始。これまで17年、19年の2度にわたり、計1600万ユーロ(約26億円)をカナツに出資した。

日刊工業新聞 2024年12月06日

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