「太陽光パネル」再資源化…費用負担は製造・輸入業者、政府が再生制度で方針
政府が検討する太陽光パネルのリサイクル義務化に向けて、政府は再資源化に係る費用負担をパネルの製造・輸入業者に求める制度設計方針を示した。設備の解体費用は所有者が支払う形とし、あらかじめ第三者機関に預託することで解体・リサイクル費用が確実に支払われる仕組みを整える。パネルリサイクルを行う場合、現在主流の埋立処分と比べて処理費用の増加が見込まれる。製品特性や支払いの実効性などを考慮し、事業者に適切な費用負担を求める。
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経済産業省と環境省による4日開催の有識者会議の場で、制度化に向けた論点整理が示された。再資源化費用についてはパネルが製造、輸入された段階で事業者が第三者機関に支払う。政府は製造業者などに費用負担を課すことで、再資源化費用の低減に資する環境配慮設計を促す効果をもたらすことが可能になるとした。
解体などの費用は、太陽光発電設備の所有者が使用開始前に第三者機関に支払う。現在は再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)、市場価格連動型制度(FIP)を利用する事業用の出力10キロワット以上の発電事業者に対し、解体などの費用の積み立てを求めている。今回示された案では非FIT・FIPを含む全ての設備を対象とし、初期段階から費用を確保することで、放置や不法投棄の防止を図る。
会議に出席した有識者は「負担平準化や需要を過度に減退させない費用設定など幅広い検討が必要」と話す。政府は論点整理を基に太陽光パネルのリサイクル制度を確立し、2025年の通常国会への関連法案の提出を目指している。太陽光パネルは30年代後半以降の大量廃棄が予想されており、事前の対策に向けた制度設計に取り組む。
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日刊工業新聞 2024年12月06日