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性フェロモン、同性にも作用―オス同士で攻撃性高まる

東大などマウスで仕組み解明
 東京大学大学院農学生命科学研究科の東原和成教授らの研究グループは、異性を引きつける性フェロモンが同性にも作用するという新しい仕組みをマウスによる実験で明らかにした。オスマウスの涙の中に分泌されメスマウスの性行動を促すたんぱく質「ESP1」が、他のオスや分泌するオス自身の攻撃性を高めることを突き止めた。

 現在、ラットやイヌなどの他の動物を利用し同様の研究を進めている。哺乳類の情動や行動を制御する脳神経回路の解明につながる可能性がある。

 麻布大学獣医学部の菊水健史教授らとの共同研究。成果は米科学誌カレント・バイオロジー電子版に掲載された。 

 オスは別のオスが住処に侵入してくると攻撃するが、去勢したオスに対しては攻撃しない。研究グループは、ESP1を分泌しないオスにESP1をかがせたところ攻撃性が高まり、住処に侵入した去勢したオスに攻撃することを明らかにした。一方、鼻腔(びくう)下部の器官でESP1を受け取って働くたんぱく質「V2Rp5」を欠損させたオスはESP1をかいでも去勢したオスに攻撃しなかった。ESP1と尿中のオス特有の物質にオスの攻撃を促す効果があることを見いだした。

 また性成熟とともに分泌量が増えるESP1は分泌するオス自身にも作用し、自分自身の攻撃性を高めることを明らかにした。
日刊工業新聞2016年4月20日科学技術・大学面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
自分の子孫繁栄のために他のオスと戦う必要があるということでしょうか。

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