発電容量1500kW…大平洋ランダム、本社工場にメガソーラーを整備した理由
大平洋ランダム(富山市、薄田新一郎社長)は、本社工場内の遊休地に発電容量1500キロワットの大規模太陽光発電所(メガソーラー)を整備し、2025年1月に稼働する。本社工場の年間電力需要量の約15%を賄う。同社はセラミックス粉末や半導体製造装置向け部材の製造などを主力とし、材料の溶融や焼成などで大量の電力を使用する。再生可能エネルギー電力の導入拡大で、二酸化炭素(CO2)排出量削減につなげる。
大平洋ランダムは30年に、全社で排出するCO2を18年比50%減の4133トンにする計画を掲げる。23年時点ですでに同40%削減しており、再生エネ由来の電力使用で目標達成に弾みを付ける。
メガソーラーは、本社工場の1万4400平方メートルの遊休地に太陽光パネル3520枚を設置する。北陸電力が整備し、電力料金を徴収するオンサイトPPA(電力販売契約)方式を採用した。22年に工場棟の屋根にも太陽光パネルを設置しており、メガソーラーと合わせた発電容量は1650キロワットとなる。
高純度の炭化ケイ素(SiC)を材料とした半導体製造装置向け部材の製造では、電力を大量に消費する高温焼成炉を稼働している。半導体需要の拡大を背景に受注量が増加し、増産に伴い炉の稼働率も上昇の一途をたどっているという。
また、半導体製造装置部品の受託加工事業も受注拡大が続く。同部品はクリーンルーム内で製造する必要があり、同事業の電力消費も増えている。
こうした中、CO2排出削減目標の達成には再生エネ由来電力の導入拡大が不可欠とみて、メガソーラー整備を決断。増加する電力使用を再生エネ活用で賄う構えだ。
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日刊工業新聞 2024年12月04日