「半導体」後工程装置に商機あり…ヤマハロボ、AI向け需要を深耕する
搬送ロボ組み合わせ自動化
ヤマハ発動機の半導体製造装置部門であるヤマハロボティクスホールディングス(HD、東京都港区、中村亮介社長)は、ボンダーやモールディング(半導体封止)装置などを揃える後工程装置の総合メーカーだ。人工知能(AI)向けの半導体である画像処理半導体(GPU)や広帯域メモリー(HBM)の製造では高性能な後工程装置が必要になる。同社は多様な装置で商機を捉える構えだ。
ヤマハロボティクスHDは後工程装置メーカーである、新川(東京都武蔵村山市)とアピックヤマダ(長野県千曲市)、PFA(埼玉県坂戸市)の3社を束ねる形で2019年に誕生した。強みはテスト以外の後工程に関わる装置をそろえる点だ。加えて、ヤマハ発動機の搬送ロボットなどを組み合わせた自動化提案もできる。
ヤマハロボティクスHDもAIの追い風を受ける。一つがフリップチップボンディングの一種である「サーマル・コンプレッション・ボンディング」(TCB)に対応した装置だ。HBMでの適応が増えている。同様にAIデバイスで多用される、チップと基板間の小さなギャップをパッケージ全体封止と一括で樹脂充填する「モールドアンダーフィル」に対応したモールディング装置も好調だ。小坂浩之営業部長は「24年の販売台数としても23年に比べ2倍以上だ」と足元の好調ぶりを話す。
次を見据えた開発も進める。同社はレゾナックHDが主導するコンソーシアム「ジョイント2」などに参加。小坂部長は「今後アドバンスドパッケージ(先進パッケージ)のプロセスは変わってくる」とし、現在が過渡期であると強調する。量産では300ミリメートルウエハーを使った先進パッケージ用の装置が使われるが「研究開発ではパネルへの移行も見られる」。また、プロセスの変化に合わせ材料も変わる。装置の完成度だけでなく、材料とのすり合わせが欠かせない。ヤマハロボティクスHDはコンソーシアムなどを通じた研究開発で、次なる技術変化に対応する。
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