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スマホディスプレーのセンサー向け…住友化学が開発、有機フォトダイオード材料の実力

スマホディスプレーのセンサー向け…住友化学が開発、有機フォトダイオード材料の実力

可視光まで検知する次世代センサー材料を開発

住友化学は目に優しい可視光など幅広い波長を検知できるセンサー材料を開発した。強みの有機合成技術を生かし、センサー形状の柔軟化やスマートフォンの薄肉化などに貢献できるとみている。スマホだけでなく、ウエアラブル機器のセンサーへの採用も想定。今後、サンプルワークを含めて顧客の動向を探りながら、実用化に向けた提案に取り組む。

住友化学が開発した有機フォトダイオード(OPD)材料は、スマホのディスプレーで使われるセンサー向けなどを想定する。波長1400ナノメートル(ナノは10億分の1)帯に対応。可視光から短波赤外線まで調整できる仕様だ。同材料は溶液にすることもできるため、柔らかい基材や幅広い面積に加工できる点を訴求する。同社が強みとする有機合成技術などを応用して仕上げた。

例えばスマホなどの電子機器の画面に指を当てて機器からの光が反射された際に、同材料を活用したセンサーであればより幅広い面積で指紋を検出できる。また複数本の指による指紋認証も可能になるとみられ、セキュリティー面での向上にも寄与する。機器の薄肉化などにも貢献できる見通しだ。

得意とする農薬関連分野への展開も模索する。農業向け飛行ロボット(ドローン)のセンサーに活用するなど相乗効果を図りつつ、さまざまな社会課題の解消に対応できる可能性があると捉えて取り組みを進める。

住友化学は10月、ディスプレー材料や半導体材料などを担う部門を「ICT&モビリティソリューション部門」として再編した。同部門を成長ドライバーとして位置付け、経営資源を集中させることで取り組みを推進していく方針だ。

日刊工業新聞 2024年11月20日

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