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グリーン水素電力抑えて製造…冨士ダイスが開発、「ニッケル電極」の性能

グリーン水素電力抑えて製造…冨士ダイスが開発、「ニッケル電極」の性能

冨士ダイスが開発したグリーン水素向け電極

冨士ダイスは、水素を製造する際に電圧を従来比20%削減するニッケル製の電極を開発した。電力の使用を抑えられ、また貴金属を使用していないために環境負荷が低いという。主力事業の超硬合金製造の粉末冶金技術などを応用した。再生可能エネルギー電力を使った水の電気分解によるグリーン水素の製造装置向けに、2027年までの商品化を目指す。

冨士ダイスが開発した電極「PME=写真」は従来のニッケル電極に比べて、低い電圧で同じ量の水素を発生できる。ニッケル中に触媒を混ぜ込んだ構造を採用し、表面積を大きくして性能を高めた。

超硬合金の製造に求められる粉末冶金技術と超高圧の合成技術を触媒の開発に生かし、掛け合わせることで電極にした。触媒と電極化の関連で2件の特許を取得した。

国内外でカーボンニュートラル(CN、温室効果ガス〈GHG〉排出量実質ゼロ)に向けた投資が加速している。化石燃料から脱炭素のエネルギーへの転換が見込まれる中、グリーン水素はCNの有力技術になると目される。

工作機械の展示会「日本国際工作機械見本市(JIMTOF2024)」で披露している。

日刊工業新聞 2024年11月05日

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